巨勢小石

巨勢 小石（こせ しょうせき）についての詳細

巨勢小石は近代日本画において重要な役割を果たした画家であり、本名は八田金起です。生於1843年、彼は京都市下京区大坂町に生まれました。彼の父親は名高い画家である巨勢金観であり、家族は代々「八田久左衛門」を名乗り、仏画の制作に従事してきました。このような環境において育まれた小石は、幼少期から絵画に対する深い理解と感受性を培っていきました。

彼は若き日に岸派の岸連山や南画を代表する中西耕石の下で日本画の技術を学びました。さらに、詩の分野では神山鳳陽からも影響を受け、豊かな教養を身に着けていきました。こうして学ぶ中で、彼は自らの家系の伝統を意識し、巨勢家の系譜に基づいて本名を復姓し、巨勢金岡の三十八世の末裔と自負するようになりました。

その後、小石はさまざまな場所を訪れ、絵画の技術をさらに磨くための旅を続けました。1878年（明治11年）には清国に遊学し、そこでの経験は彼の画風に多大な影響を与えました。帰国後は、京都府画学校（現在の京都市立芸術大学）や華族会館の分局画学校などで絵画を教えるようになりました。1980年には東京美術学校（現在の東京芸術大学）の教授に任命され、後進の指導にも尽力しました。

小石の晩年は再び京都に戻り、田能村直入や富岡鉄斎とともに日本南画協会を結成しました。これは東京奠都後、衰退が進んでいた京都画壇を復興させるための試みでした。彼は持ち前の技術と知識で多くの後進を育て、京都画壇の発展に寄与しました。

彼の代表作には仏画や花鳥画が含まれ、特にその精緻な描写と美しさは多くの人々に愛されてきました。巨勢小石は、近代日本画界においてその名を刻む存在であり、彼の業績は今もなお多くの人に影響を与えています。

参考文献

• - 京都市美術館監修 『京都画壇 江戸末・明治の画人たち』 アート社出版、1977年10月1日
• - 徳力富吉郎 嶋田玄弥 共編 『巨勢小石七十二候名花画帖』 京都書院、1980年

関連項目

• - 巨勢金岡 - 小石の先祖にあたる。

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