巴がゆく!

巴がゆく！：ローラースケート少女の恋と闘いの物語

『巴がゆく！』は、田村由美氏による人気漫画作品で、1987年から1990年にかけて別冊少女コミックで連載されました。その後、OVA作品としてもアニメ化され、多くのファンを魅了しました。

ストーリー：財界の影と青春の葛藤

主人公は、ローラースケートが得意で「シュトコーの巴御前」と呼ばれる女子高生、王島巴。彼女はかつてスケバンとして名を馳せていましたが、友人との悲しい出来事をきっかけに、スケートから遠ざかっていました。そんな彼女をスカウトしたのが、スタントマン養成所「緑の船」の教官である氷室上総です。

上総のもとで訓練を積む中で、巴は巨大コンツェルン東条グループの御曹司である東条伊織と出会います。伊織は、穏やかな表情の裏に強い意志を秘めた人物で、巴と恋仲になります。しかし、巴の周囲では財界を揺るがす陰謀が渦巻いており、彼女は上総と伊織の策略、そして自身の過去と向き合わなければなりません。巴の恋心は、上総と伊織という二人の男性の間で揺れ動き、物語に複雑さと深みを与えています。

登場人物：個性豊かなキャラクターたち

本作には、巴の他に魅力的なキャラクターが多数登場します。

王島巴（おうじま ともえ）：主人公。17歳の女子高生で、優れた運動神経と強い意志を持ち合わせています。
東条伊織（とうじょう いおり）：19歳。東条グループの総帥の息子で、巴の恋人。温和な外見とは裏腹に、強い意志と策略家としての側面を持っています。
氷室上総（ひむろ かずさ）：巴のスカウトをしたスタントマン養成所の教官。冷酷な一面もある一方で、巴への複雑な感情を抱いています。
王島静（おうじま しずか）：巴の姉。CAとして働きながら、武道にも精通した実力者です。
海（かい）：静の恋人。大柄で寡黙なケーキシェフで、静を深く愛しています。
麻鳥九郎（あさとり くろう）：元暴走族の青年。巴とは緑の船で出会った仲間です。
青柳司（あおやぎ つかさ）：東条グループの秘書。上総に好意を持ち、巴に嫉妬しています。
京極月子（きょうごく つきこ）：第2部から登場する、野心的な女性。
* シドニー：金髪の孤児の青年。月子に好意を寄せています。

これらのキャラクターたちが、それぞれの思惑と感情を絡ませながら物語を彩ります。

OVAとメディアミックス

『巴がゆく！』は1991年と1992年にOVAとしてアニメ化されました。それぞれ「桜の抄」と「炎の抄」というタイトルでリリースされ、人気を博しました。さらに、イメージソング集やサウンドトラックCD、そして同人誌「夢の跡」といったメディアミックス展開も行われました。

まとめ：青春とアクションが交錯する傑作

『巴がゆく！』は、ローラースケートという独特な要素と、財界を舞台にしたスケールの大きなストーリー、そして複雑な人間関係が魅力の作品です。青春の葛藤とスリリングなアクションが絶妙に融合し、読者や視聴者を惹きつけます。OVA作品も合わせて、ぜひ一度、この世界に触れてみてください。

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