巴里のアメリカ人

映画『巴里のアメリカ人』について

『巴里のアメリカ人』（英語：An American In Paris）は、1951年に公開されたアメリカのミュージカル映画です。この作品は、第24回アカデミー賞で8部門にノミネートされ、その中で作品賞を含む最多6部門を受賞しました。監督はヴィンセント・ミネリ、主演はジーン・ケリーとレスリー・キャロンが務め、製作はメトロ・ゴールドウィン・メイヤーにより行われました。

概要

本作は、アメリカ人画家のジェリーとフランス人女性リズとの恋を描いています。パリを舞台にした美しい映像と、印象的な音楽が特徴です。特にジーン・ケリーが主演した『雨に唄えば』とともに、彼のミュージカル映画の傑作とされています。映画はアメリカ国立フィルム登録簿に保存され、時を超えて多くの人々に愛されています。

音楽はすべてジョージ・ガーシュウィンによるもので、その兄アイラ・ガーシュウィンが作詞を担当しました。劇中では「アイ・ガット・リズム」「ス・ワンダフル」「わが愛はここに」などの名曲が歌われ、特にダンスシーンでは、ケリーとキャロンがガーシュウィンの楽曲『パリのアメリカ人』に合わせて踊る18分間の壮大なシーンがあります。

あらすじ

物語の主人公ジェリーは、パリで画家として成功を目指しています。彼の友人アダムはピアニストで、有名な歌手アンリの知り合いです。ミロという裕福な女性は、若い芸術家を支援することに熱心で、ジェリーをサポートしようとしますが、ジェリーは酒場で出会ったリズに心を奪われてしまいます。ジェリーとリズは恋人同士になりますが、リズにはアンリとの結婚を考える存在があるため、二人の関係には波乱が待っています。

受賞歴

『巴里のアメリカ人』は、アカデミー賞で多くの賞を受賞しました。受賞部門には、作品賞、美術賞、撮影賞、衣装デザイン賞、作曲賞（ミュージカル）、脚本賞が含まれ、特にジーン・ケリーは名誉賞を受賞しています。

舞台化と日本での公演

2005年にはバレエ版が上演され、2014年にはミュージカル版がパリで初演されました。このミュージカル版は後にブロードウェイでの公演も果たし、トニー賞を5部門で受賞するなど、高い評価を得ました。日本では、2019年から劇団四季によるミュージカル公演が始まり、多くの観客を魅了しました。

日本版では、アメリカ人ジェリーやフランス人リズ、ピアニストのアダムなどのキャラクターが生き生きと演じられ、観客に感動を与えています。劇団四季の上演スケジュールは、東京、神奈川、名古屋、京都など、各地で展開されています。

おわりに

『巴里のアメリカ人』は、その美しい映像美と感動的な音楽、そして登場人物たちの物語が相まって、観る者に忘れられない印象を与える映画です。時が経っても色あせないその魅力は、今なお多くの人々に愛され続けています。

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