市場デリバティブ

市場デリバティブ（上場デリバティブ）とは

市場デリバティブ、または上場デリバティブとは、取引所に上場されているデリバティブ商品のことを指します。これは、取引所を介さずに直接取引を行う店頭デリバティブ（OTCデリバティブ）と対比される概念です。

市場デリバティブは、標準化された契約条件と取引ルールに基づいて取引が行われるため、透明性が高く、流動性が高いという特徴があります。また、取引所が仲介役となることで、カウンターパーティリスク（取引相手の信用リスク）を低減する効果も期待できます。

日本の主要な取引所と取り扱いデリバティブ

以下に、日本の主要な取引所と、そこで取り扱われているデリバティブ商品の例を紹介します。

大阪取引所

大阪取引所は、金融商品取引所と商品取引所の両方の機能を有しています。

金融商品デリバティブ
株価指数（日経225先物・オプションなど）
配当指数
ボラティリティ指数
REIT指数
個別株式（有価証券オプション）
債券（長期国債先物・オプションなど）
商品デリバティブ
貴金属（金・銀・白金・パラジウム）
ゴム
農産物（大豆・小豆・とうもろこし）

東京金融取引所

東京金融取引所は、金融商品取引所として、以下のデリバティブ商品を取り扱っています。

金利（ユーロ円3ヵ月金利など）
くりっく365（FX）
くりっく株365（株価指数証拠金取引）

東京商品取引所

東京商品取引所は、商品取引所として、エネルギー関連の商品デリバティブに特化しています。

エネルギー（電力・液化天然ガス・原油・ガソリン・灯油・軽油）

堂島取引所

堂島取引所は、商品取引所として、農産物や貴金属のデリバティブ商品を取り扱っています。

農産物（とうもろこし、米国産大豆、米穀、小豆）
砂糖（粗糖）
貴金属（金、銀、白金）

日本の法律における市場デリバティブ

金融商品取引法

金融商品取引法では、「市場デリバティブ取引」という用語が用いられています。同法第2条第20項において、デリバティブ取引は、市場デリバティブ取引、店頭デリバティブ取引、外国市場デリバティブ取引の3つに分類されており、市場デリバティブ取引は、日本の取引所におけるデリバティブ取引を指します。

商品先物取引法

商品先物取引法では、金融商品取引法上の用語引用として以外は、「市場デリバティブ」という用語は用いられていません。

上場デリバティブ

「上場デリバティブ」という用語は、法律上の用語としては用いられていません。

まとめ

市場デリバティブは、取引所を通じて取引されるデリバティブであり、透明性、流動性、カウンターパーティリスクの低減といったメリットがあります。日本の主要な取引所では、多様な種類の市場デリバティブ商品が取り扱われており、投資家は自身のニーズやリスク許容度に合わせて、適切な商品を選択することができます。

関連項目

デリバティブ
電力デリバティブ
天候デリバティブ
不動産デリバティブ
店頭デリバティブ
先物取引

外部リンク

* やさしいデリバティブ - 金融広報中央委員会

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