市村慶三

市村慶三：地方行政に尽力した内務官僚、政治家

市村慶三（いちむら けいぞう）は、1884年（明治17年）2月28日に生まれ、1959年（昭和34年）1月8日に没した、日本の内務官僚、政治家です。旧姓は古川で、県知事や京都市長を歴任しました。

生い立ちと初期のキャリア

京都府出身の市村慶三は、古川専太郎の三男として誕生しましたが、後に市村貞蔵の養子となりました。第三高等学校を経て、1910年に東京帝国大学法科大学法律学科を卒業。同年11月には、文官高等試験行政科試験に合格し、内務省に入省、北海道庁に配属されました。

内務官僚としての活躍

北海道庁での勤務後、市村は北海道庁警視、神奈川県橘樹郡長、千葉県・兵庫県の各理事官、奈良県警察部長、皇宮警察長、内務省参事官兼宮内事務官、神奈川県書記官・内務部長、警視庁書記官・官房主事など、多岐にわたる役職を歴任しました。

県知事としての手腕

1926年8月には福井県知事に就任。その後、愛媛県、三重県と各県の知事を歴任し、1931年11月には鹿児島県知事に就任しました。鹿児島県知事時代には、鹿児島飛行場の建設や、大島郡の産業振興計画の推進に尽力しました。しかし、足立内務部長との対立が原因で、1935年1月に両者とも休職となり、市村は同年退官しました。

京都市長としての貢献

1935年5月に京都市助役に就任、翌1936年6月には京都市長に就任し、1940年6月までその職を務めました。

功績を今に伝える石碑

鹿児島県鹿児島中央家畜保健衛生所（旧鹿児島県蚕業試験場・鹿児島県日置市）には、市村が揮毫した石碑が現存しています。この石碑には、「鹿児島県知事 市村慶三」「昭和9年3月12日」と刻まれており、彼の鹿児島県における功績を今に伝えています。

まとめ

市村慶三は、内務官僚としてだけでなく、県知事、京都市長として、地方行政に大きく貢献した人物でした。特に鹿児島県における飛行場建設や産業振興への尽力は、今日の地域発展の礎となっています。彼の功績は、石碑を通じて後世に語り継がれています。

参考資料

上田正昭他『日本人名大辞典』講談社、2001年。
歴代知事編纂会編『新編日本の歴代知事』歴代知事編纂会、1991年。
* 秦郁彦編『日本官僚制総合事典：1868 - 2000』東京大学出版会、2001年。

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