布勢内親王

布勢内親王について

布勢内親王（ふせないしんのう）は、日本の歴史において重要な位置を占める人物であり、桓武天皇の第5皇女です。彼女の母は中臣丸豊子であり、彼女もまた名門に生まれ育ちました。「布勢」という名前は、時折「布施」とも表記されることがあります。彼女は伊勢の斎宮として知られ、当時の重要な役割を果たしました。

生涯の重要な出来事

布勢内親王の生涯は、様々な出来事に彩られています。彼女は延暦16年（797年）4月18日に皇女としての卜定を受け、同年の8月21日に葛野川で行われた御禊（みそぎ）を経て、野宮へと移りました。これが彼女が記録に残る最初の出来事です。このように、内親王としての生活は、厳格な儀式や祭事を中心に展開されていきました。

延暦18年（799年）には、伊勢の地へ群行し、重要な役割を果たすこととなります。その後、大同元年（806年）3月17日に桓武天皇が崩御したのを受け、布勢内親王は在任10年で斎宮を退下せざるを得なくなりました。彼女の在任期間中、内親王として様々な宮中行事に携わり、その活動は非常に注目されていました。

薨去とその影響

弘仁3年（812年）8月6日、布勢内親王は無品の身分のまま薨去します。その後、彼女に対して四品を追贈されました。『日本後紀』に記された薨伝には、彼女の性格について「資性婉順、貞操殊励」との記載があります。これは、彼女の持つ品位や徳が、当時の人々の高い評価を受けていたことを示しています。

布勢内親王の薨去後、同年の11月27日には内親王の遺領から772町の墾田が二つの寺に施入されました。このように、彼女の遺産は宗教的な目的に使われ、死後も彼女の名は多くの人々に記憶され続けました。また、弘仁4年（813年）9月30日には、内親王の遺命により内親王家から直銭1,0000貫が多くの寺院の修理料として使用されることとなり、彼女の影響力は今なお残り続けることとなります。

参考文献

布勢内親王に関する詳細な情報は、さまざまな文献に記されています。特に『国史大辞典 12』や『日本女性人名辞典』、また山中智恵子による『斎宮志』は、この時代の女性たちに関する重要な知識を得る際に役立つものです。これらの資料を通じて、布勢内親王の存在やその影響について、より深く理解することができるでしょう。

このように、布勢内親王の生涯は、平安時代の日本における重要な一ページであり、彼女の存在はその後の歴史にも影響を与え続けました。

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