布施祐仁

布施祐仁（ふせ ゆうじん）は、1976年に東京都で生まれたフリージャーナリストであり、北海道大学の経済学部を卒業した後、ジャーナリズムの道を志しはじめました。彼のキャリアは、2001年から日本平和委員会の機関紙『平和新聞』での編集業務によってスタートしました。彼は、その後の編集長の任に就き、2021年までその役割を担いました。その間に、社会的な問題や政治的な課題に対して鋭い視点から取り組み、特に安全保障や平和に関する問題について多くの注目を浴びることになりました。

特に、布施は自衛隊の日報問題についての情報開示請求を行ったことで知られています。2016年9月30日、彼は防衛省に対し、南スーダン派遣部隊が作成した日報の情報開示を求めましたが、文書が存在しないとの理由で不開示となりました。この結果、彼はTwitter上でこの問題に疑問を呈し、より多くの人々に自衛隊日報問題の存在を知らせるきっかけを作りました。これにより、社会での議論が巻き起こされ、問題は広く認識されることになりました。

また、布施祐仁は、2018年10月に三浦英之との共著で『日報隠蔽―南スーダンで自衛隊は何を見たのか』を出版し、この著作は石橋湛山記念早稲田ジャーナリズム大賞（草の根民主主義部門）を受賞しました。これにより、彼の仕事が更に評価されることとなり、日本におけるジャーナリズムの重要性を再認識させました。

ジャーナリストとしての活動に加え、布施はYouTubeなどのメディアにも出演しています。代表的なものにはデモクラシータイムス、のりこえねっとTube、No Hate TV、UIチャンネル 東アジア共同体研究所などがあります。これらのプラットフォームを通じて、彼は市民に対して重要な情報や知識を提供し、より良い社会の実現に向けた議論を促進しています。

著作についても、多岐にわたるテーマで数多くの本を執筆しており、多くは戦争、平和、そして社会問題に関連しています。単著としては『北の反戦地主 川瀬氾二の生涯―矢臼別演習場のど真ん中で生ききった!』（2009年）、『日米密約 裁かれない米兵犯罪』（2010年）、『災害派遣と「軍隊」の狭間で―戦う自衛隊の人づくり』（2012年）、『ルポ イチエフ――福島第一原発レベル7の現場』（2012年）、『経済的徴兵制』（2015年）、『自衛隊海外派遣 隠された「戦地」の現実』（2022年）、『日米同盟・最後のリスク なぜ米軍のミサイルが日本に配備されるのか』（2022年）、『従属の代償 日米軍事一体化の真実』（2024年）などがあり、そうした著作を通じて日本社会に重要な視点を提供し続けています。

さらには、他の著者との共著としても貢献しており、たとえば『これでいいのか福島原発事故報道―マスコミ報道で欠落している重大問題を明示する』（2011年）や、『主権なき平和国家―地位協定の国際比較からみる日本の姿』（2017年）などが挙げられます。これにより、布施の名前は特に平和や社会的正義の問題に関心を持つ人々の間で広く知られるようになりました。彼の活動は、日本のジャーナリズムにおいて特異で重要な役割を果たし続けており、今後の活動にも大いに期待が寄せられています。

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