布野村

布野村について

布野村（ふのそん）は、かつて広島県北東部に位置し、双三郡に属していた村です。この村は、1889年4月1日に市町村制が施行された際から115年間、独自の村政を続けてきましたが、2004年4月1日に三次市と甲奴郡甲奴町、双三郡の全ての町村が対等合併し、新たに三次市が設立されることに伴い、その歴史に幕を閉じました。

沿革

布野村の中心地域である上布野は、出雲街道沿いの宿場町として古くから栄えてきました。村の歴史を振り返ると、1889年の市町村制施行が重要な出来事であり、この時点で布野村は三次郡の一部として認識されていました。1898年には、三谿郡と三次郡が統合されて双三郡が成立し、布野村は双三郡の一部となりました。そして2004年、布野村は合併の波に飲まれ、三次市へと消滅しました。

地名の由来

布野村の地名は、『和名抄』に記載されている「布努（ふぬ）郷」が由来とされています。この名称は、砂礫が多い原野を指す「曲野（くの）」から転訛したものと考えられています。

地理

布野村の地形は、様々な山々と河川に恵まれていました。主な河川には、江の川の支流である神野瀬川と布野川があります。また、村には多くの山々が存在し、特に冠山（標高843.8m）や女亀山（830.3m）は村のランドマーク的存在でした。他にも、高山や湯谷山など、多様な標高の山が揃っています。

名所・旧跡

布野村にはいくつかの観光名所もありました。道の駅「ゆめランド布野」は地元の特産品を販売する場所として知られています。また、中村憲吉の生家や墓所、さらにフルーツランドふの、一部ではフィッシングガーデン吸谷も人気のスポットです。八千代滝や松雲寺五重塔は重要文化財として訪れられ、二反田断層は県の天然記念物に指定されています。

産業

当地の主な産業は農業であり、地域経済の基盤となっていました。農業の他にも、小規模な商業や観光に関連した業態も見られました。

交通

2004年の時点で、村内には鉄道は通っておらず、最寄りの鉄道駅はJR西日本三江線の作木口駅でした。道路網は発展しており、国道54号や184号を利用することができました。

教育

布野村には教育機関が存在し、布野村立の小学校や中学校が地域の子どもたちに教育を提供していました。ただし、横谷小学校は2006年に廃校となり、三次市立の布野小学校に統合されました。

出身の有名人

布野村からは歌人の中村憲吉が知られており、アララギ派に所属していました。また、三ッ井権八という人物も村の出身で、怪異現象を経験した人物として語られています。

まとめ

布野村は、その独自の歴史や文化、自然の美しさから、多くの人々に愛されていました。地域の雰囲気や伝統は消え去ったものの、かつての村の足跡は、今も地域に息づいていることでしょう。

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