帝塚山古墳

帝塚山古墳

帝塚山古墳は、大阪市住吉区帝塚山西2丁目に位置する古墳です。この古墳は、帝塚山という地名のルーツとなっています。

概要

現在、帝塚山古墳として知られているのは一つだけですが、明治時代以前には「大帝塚」と「小帝塚」と呼ばれる大小二つの古墳が存在していました。これらの古墳は、かつてこの地に館を構えていた古代豪族・大伴氏、特に大伴金村とその子孫の墓であると伝えられていました。ただし、大伴金村は6世紀前半の人物であり、古墳の年代とは一致しません。5世紀ごろの大伴氏の系図は錯綜しており、その実態を正確に把握することは困難ですが、4世紀末の大伴氏の人物として大伴武以の名が確認できます。

大帝塚は、現在の帝塚山学院の敷地となっており、小帝塚が帝塚山古墳として現存しています。この古墳は前方後円墳の形状をしています。

帝塚山は、元々は単に「塚」または「手塚」「手塚山」と呼ばれていました。阪堺電気軌道阪堺線の塚西停留場の名称は、この塚の西に位置することを示しており、その名残を伝えていると言えるでしょう。

明治時代に明治天皇が大阪に行幸し、かつての南朝の後村上天皇の御所であった住吉行宮に滞在し、当地を訪れたことがきっかけで「帝塚山」という名称に改められたと伝えられています。しかし、摂津名所図会（1796年）にはすでに「帝塚山」の記載が見られることから、江戸時代後期にはすでに「帝塚山」と呼ばれていた可能性も指摘されています。

現在は、財団法人住吉村常盤会が管理しています。

1928年には、大阪市によって古墳の周囲を含む地域を史跡公園として整備する都市計画事業が立ち上がりました。しかし、土地の買収が進まず、計画は頓挫しています。墳丘の標高は19.88m（三等三角点）であり、大阪五低山の一つとされています。

所在地・交通

所在地: 大阪府大阪市住吉区帝塚山西2丁目8
南海電鉄高野線帝塚山駅: 西へ約100m
阪堺電気軌道阪堺線塚西停留場: 南東へ約200m

外部リンク

大阪日日新聞「一堆の丘」帝塚山古墳
大阪考古学百景 帝塚山古墳と万代古墳
(財)大阪文化財協会 帝塚山古墳（航空写真あり）

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