帝塚山四丁目停留場

帝塚山四丁目停留場は、大阪府大阪市住吉区の帝塚山中5丁目に位置する、阪堺電気軌道上町線の停留場です。駅番号として「HN08」が付与されており、阪堺電気軌道、通称「阪堺電車」の重要な停車駅の一つとして、地域の交通を支えています。

歴史

この停留場が開設されたのは、昭和15年（1940年）3月のことです。当時、帝塚山周辺は閑静な住宅地として開発が進行しており、人口の増加に伴って公共交通機関への需要が高まっていました。こうした地域の発展と住民の利便性向上を図る目的で、帝塚山四丁目停留場が設置されました。開業以来、約80年以上の長きにわたり、この地域の移り変わりを見守り続けています。

停留場構造

停留場は、相対式ホームが向かい合う2面2線の構造を有しています。これは、線路を挟んで上り線と下り線のそれぞれの乗り場が独立して設けられている形式です。帝塚山四丁目停留場の地理的な特徴として、路面電車が一般の道路上を他の車両と共に走行する「併用軌道」の区間から、軌道敷が道路から独立した「専用軌道」へと切り替わる地点に位置している点が挙げられます。そのため、利用者は路面電車独特の走行環境の変化を体感することができます。
ホームの設備としては、上下線それぞれの乗り場に木造の上屋（屋根）が設置されています。この木造上屋は、古くから使われているもので、どこか懐かしい雰囲気を醸し出しており、雨の日や日差しの強い日でも利用客が快適に電車を待つための実用的な役割と同時に、停留場全体の景観に温かみと歴史的な趣を加えています。

メディアでの登場

帝塚山四丁目停留場は、2010年度下半期に放送されたNHKの連続テレビ小説『てっぱん』の作中にも登場しました。大阪を舞台とした物語のワンシーンとして度々画面に映し出され、ドラマの視聴者にとっては親しみのある駅として認識されることとなりました。メディアへの露出を通じて、地域外の人々にもその存在が知られるきっかけとなりました。

停留場周辺

停留場の周囲には、地域住民の生活を支え、多様なニーズに応える様々な施設が点在しています。

万代池: 広大な池とその周辺が整備された万代池公園として、地域の憩いの場、散策スポットとして親しまれています。
住吉神ノ木郵便局: 地域の郵便業務を担う公共サービス施設です。
大阪市立住吉小学校: 地域の子どもたちが通う教育施設です。
大阪急性期・総合医療センター: 高度な医療を提供する主要な医療機関の一つです。
帝塚山芋忠本社: 地域に根差した企業の拠点です。
ライフ住吉店: 日常的な買い物に便利なスーパーマーケットです。

これらの施設が徒歩圏内にあるため、帝塚山四丁目停留場は単なる交通結節点としてだけでなく、周辺地域の生活利便性を高める役割も果たしています。

隣の停留場

阪堺電気軌道上町線における当停留場の前後の駅は以下の通りです。

帝塚山三丁目停留場 (HN07) ← 帝塚山四丁目停留場 (HN08) → 神ノ木停留場 (HN09)

帝塚山四丁目停留場は、その歴史ある佇まいと、地域に根差した利便性を兼ね備え、静かな環境の中にありながらも、交通の要衝として、今日も多くの人々が行き交う生活の拠点となっています。木造の上屋が残るホームは、訪れる人々にどこか懐かしい雰囲気を感じさせてくれることでしょう。

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