帝鑑の間

帝鑑の間は、江戸城本丸表御殿、白書院の下段の間の東に位置する由緒ある部屋です。

位置と構造

北側は連歌間と続き、東側は畳縁の入側を隔てて、伯夷・叔斉の絵が描かれた杉戸があり、さらにその奥には紅葉間があります。南側は畳縁があり、中庭に面し、松の廊下と相対しています。天井は格天井で、格式高い空間を演出しています。

室名の由来と特徴

帝鑑の間の名前は、襖に描かれた歴代将軍の模範となるべき唐代の帝王の絵に由来します。この絵は、将軍が政治を行う上での教訓を示すものとして、重要な意味を持っていました。

帝鑑間詰

将軍が白書院で諸大名と謁見する際、この部屋で待機する大名を「帝鑑間詰」と呼びました。帝鑑間詰は、越前松平家のような大名家、10万石以上の大名、交代寄合などの家格の高い大名が務めました。

慶応2年の武鑑によると、帝鑑間詰には家門4家、譜代60家、計64家が名を連ねています。これらの大名の石高は1万石から10万石以上と幅広く、5万石以上の大名が28家、それ以下がその他の家です。また、城を持たない大名も10家いました。

その他の利用

江戸城では、御城碁は黒書院で行われるのが常でしたが、白書院や帝鑑の間が使われることもありました。これは、対局者の身分や状況によって、場所が変更されることがあったためです。

関連項目

* 伺候席

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