師団管区

師団管区の概要と歴史

師団管区（しだんかんく）は、日本陸軍が1939年から1941年までの間、当時日本の植民地であった朝鮮に設置した管区です。この区分は、内地における師管に相当するとされ、主に徴兵や在郷軍人関連の業務が行われていました。師団管区は第19師団管区と第20師団管区に分かれており、1940年にはそれぞれ「羅南師団管区」と「京城師団管区」に改称されました。

師団管区設置以前の状況

日本が韓国を併合したのは1910年ですが、朝鮮に2個の師団を常駐させることが決定されたのは1915年のことです。この際、内地のような連隊区は設置されず、連隊区司令官による徴兵活動が行われることはありませんでした。徴兵対象は「戸籍法の適用を受ける者」に限られ、植民地住民である朝鮮人はその対象外でした。ただし、日本から朝鮮に居住する男子は兵役義務があり、朝鮮で身体検査を受けることができました。こうした事務のために、陸軍省は「兵役法施行規則」によって第19師団と第20師団の地域分担を定め、その後1939年に師団管区が設置されました。

師団管区の設置と運営

1939年8月1日に施行された昭和14年勅令第518号によって、陸軍では内地の連隊区に相当する「兵事区」が設置され、これに基づき師団管区が定義されました。朝鮮には6つの兵事区が置かれ、北東部を第19師団、その他の地域を第20師団が管轄しました。これらの兵事区は徴兵や志願兵の募集などを担当し、師団司令部がそれを監督する形となりました。

名称の変更と廃止

1940年には軍令によって番号から地名へと名称が変更され、例えば第19師団管区は羅南師団管区に、また第20師団管区は京城師団管区に改称されましたが、区割りには変更がありませんでした。その後、1941年にはさらに名称が師管に改められ、師団管区は廃止されることとなりました。これに伴い、羅南師団管区は羅南師管、京城師団管区は京城師管に改称され、兵事区の数は増えましたが、実態はそれほどの変化はありませんでした。

師団管区の構成

師団管区内の具体的な区分は以下の通りです：

• - 第19師団管区（羅南師団管区）

- 羅南兵事区（咸鏡北道）
- 咸興兵事区（咸鏡南道）

• - 第20師団管区（京城師団管区）

- 京城兵事区（京畿道、江原道、忠清北道）
- 平壌兵事区（平安北道、平安南道、黄海道）
- 大邱兵事区（慶尚北道、慶尚南道）
- 光州兵事区（忠清南道、全羅北道、全羅南道）

まとめ

師団管区は日本の植民地政策の一環として、朝鮮での徴兵や軍務の管理を目的に設置されたもので、その歴史において重要な役割を果たしました。このような制度は、当初設けられた連隊区が存在しなかったために作られ、その後の改編を経て廃止されることとなりました。

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