師岡貝塚

師岡貝塚（もろおかかいづか）

神奈川県横浜市港北区師岡町に位置する師岡貝塚は、縄文時代前期に形成された貝塚です。別名、「師岡熊野神社山内貝塚」または「権現山貝塚」とも呼ばれています。1994年（平成6年）11月には横浜市指定史跡に指定され、その歴史的価値が認められました。

概要

貝塚は、師岡熊野神社の社殿裏手にある「権現山」山頂の東斜面に位置しています。この権現山は、神体が鎮座するとされる神聖な場所であり、その山森は1991年（平成3年）2月に「師岡熊野神社の社叢林」として神奈川県指定天然記念物に指定されています。豊かな自然環境と共に、古代の人々の生活の痕跡を今に伝える貴重な場所です。

1980年（昭和55年）から神奈川県立博物館によって3次にわたる学術調査が実施され、貝塚の規模や出土遺物など、多くの情報が明らかになりました。

調査結果

時期: 縄文海進による縄文時代前期
規模: 東西20メートル、南北15メートル
遺物:
貝類：二枚貝が主体で、特にハイガイが多く見られます。その他、ハマグリ、アサリ、シオフキなども出土しています。
魚類：マダラトビエイ、クロダイなどが出土しています。
哺乳類：シカ、イヌなど、出土量は少ないです。
土器：破損した土器が発見されています。

これらの出土品は、神奈川県立歴史博物館に保管されており、研究資料として活用されています。また、発掘調査報告書は全国遺跡報告総覧からオンラインで閲覧可能です。

関連情報

参考文献:
港北区郷土史編さん刊行委員会 1986 『港北区史』pp.561-567
関連項目:
師岡熊野神社
神奈川県の貝塚の一覧
外部リンク:
郷土文化財探訪プロジェクト“葉月”-横浜市指定史跡 師岡貝塚

師岡貝塚は、縄文時代の横浜における人々の生活や環境を知る上で非常に重要な遺跡です。今後の研究や保存活動を通して、その価値を未来へと伝えていく必要があります。

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