帯広刑務所

帯広刑務所：歴史と現状

帯広刑務所は、北海道帯広市に位置する、法務省矯正局札幌矯正管区所属の刑務所です。明治26年(1893年)3月、北海道集治監釧路分監帯広外役所として開設されたのが始まりです。その後、十勝分監、十勝監獄と名称を変え、大正11年(1922年)10月には十勝刑務所となりました。その後も、釧路刑務所帯広支所、網走刑務所帯広刑務支所を経て、昭和14年(1939年)11月には帯広少年刑務所として独立。昭和18年(1943年)8月の官制改正により、再び成人受刑者の収容施設となり、現在の名称である帯広刑務所となりました。

昭和51年(1976年)10月には、帯広市緑ケ丘三番地から現在の帯広市別府町南13-33に移転。昭和52年(1977年)4月には、収容区分の改正によりB級収容施設となりました。B級とは、再犯者や暴力団構成員など、8年未満の短期刑の受刑者を収容することを目的とした分類です。収容定員は512名です。

長い歴史の中で、帯広刑務所は幾度かの組織改編や施設整備を経てきました。昭和26年(1951年)3月には士幌農場、昭和56年(1981年)6月には別府農場が開設され、受刑者の更生支援プログラムの一環として農業活動が行われてきました。平成6年(1994年)11月には士幌農場が廃止されました。平成19年(2007年)4月1日からは、釧路刑務支所（旧・釧路刑務所）の所管も開始し、現在の組織体制となっています。

現在の帯広刑務所の組織は、所長を頂点に、総務部と処遇部の2部1課体制です。総務部は庶務課、会計課、用度課からなり、刑務所の運営全般を担っています。処遇部は処遇部門と企画部門からなり、受刑者の処遇や更生プログラムの企画・実施を行っています。また、医務課も設置され、受刑者の健康管理に当たっています。

施設設備としては、木工・印刷・金工工場のほか、農場や各種作業工場を備えています。農場では、豊かな自然環境を生かし、小豆などの栽培が行われています。これらの工場や農場での作業は、受刑者の職業訓練や社会復帰支援にも役立っています。

帯広刑務所は、単なる収容施設ではなく、受刑者の更生を支援するための様々な取り組みを行っている施設です。歴史と伝統を受け継ぎながら、現代社会のニーズに応じた矯正プログラムを提供し、社会復帰を促進する役割を担っています。アクセスはJR北海道 根室線 帯広駅から車で約15分、北海道道216号八千代帯広線沿いに位置しています。

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