集治監

集治監について

集治監（しゅうちかん）は、明治時代に設置された囚人収容のための施設であり、日本国内のいくつかの地点に存在しました。この集治監は内務省の直轄であり、主に徒刑、流刑、終身懲役を受けた囚人たちが収容されていました。集治監の長は「典獄」と呼ばれ、監獄内での秩序を管理していました。

設立の背景と歴史

東京の小菅に1879年に東京集治監が設立され、続いて宮城集治監が同年に設置されました。この二つの施設は、現在の東京拘置所および宮城刑務所の前身です。その後、北海道や福岡県にも集治監が次々と設立されました。具体的には、樺戸集治監が1881年に、空知集治監が1882年に、三池集治監が1883年に、さらに釧路集治監が1885年に設置されました。また、1891年には釧路集治監の網走分監が設立されました。

設立当初、集治監では囚人に対して強制労働を課していましたが、1894年頃からその慣行は徐々に廃止されていきました。1903年には監獄官制が施行され、集治監は司法省の管轄に移されることとなり、あらゆる集治監は「監獄」と改称されました。

北海道の集治監

北海道では、国防の一環としての開拓が急務であったことから、特に多くの刑事施設が設立されました。樺戸、空知、釧路など、北海道内の重要地点に集治監が設けられ、収容者たちは開拓作業に従事しました。特に樺戸や網走では道路建設に従事し、空知や釧路では炭鉱や硫黄鉱山での作業を行っていました。樺戸集治監及び空知集治監の囚人による上川道路の建設が特に有名です。

当初、収容されていた囚人たちは、西南戦争に関わった士族や加波山事件、秩父事件に関与した者など、政治的な背景を持つ収容者が多かたため、集治監は次第に社会の注目を集めるようになりました。集治監の設立目的には、出所後に地域に留まらせることで人口を増やす狙いもありましたが、実際には過酷な労働環境が原因で命を落とす者や早々に故郷に戻る者が多く、地域への貢献には繋がらなかったと言われています。

その後の変遷

集治監における強制労働的な側面は、次第に社会的な批判にさらされ、嫌悪感が高まることで次第に廃止されました。その後、北海道の開拓事業などでは、労働力不足を補うために一般労働者が監禁されて酷使されるタコ部屋労働が広がりました。

職制

集治監内の職制は、典獄、副典獄、書記、看守長、看守などに分かれており、それぞれに役割が与えられていました。

関連項目

集治監に関連する情報には、月形潔や網走刑務所、月形刑務所、自由民権運動に関する事項などがあります。特に、開拓使や囚人道路、北海道の炭鉱労働の発展についても多くの研究がなされています。

集治監は日本の近代刑事制度の一環を担い、その歴史は多くの社会的、政治的な変遷を経て現代に至ります。

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