常光院 (熊谷市)

常光院（じょうこういん）

常光院は埼玉県熊谷市にある天台宗の寺院で、その別名である熊谷厄除大師としても知られています。この寺院は1192年、鎌倉時代に遡り、中条家長によって創設されました。彼は源頼朝に従い石橋山の戦いで戦った鎌倉御家人であり、その後、幕府において重要な役割を果たした文官でした。特に評定衆や御成敗式目の制定に関与したことが知られていますが、仕事の多くは鎌倉で行われていたため、彼の所領である中条にある館を、祖父の菩提を弔うための寺として整備したのです。

常光院は、もともと武家屋敷としての歴史的な背景を持っており、土塁や堀などの防御施設が今も残っています。1951年にはその歴史的重要性が評価され、「中条氏館跡」として埼玉県の史跡に指定されました。また、江戸時代には50石の寺領に加え、10万石もの格式を得て寺院としての繁栄を享受しました。

文化財

常光院には数多くの文化財が保存されており、以下のものが特に重要とされています。

• - 絹本著色阿弥陀聖衆来迎図: これが国指定の重要文化財として平成25年6月19日に指定されました。
• - 中条氏館跡: 先に挙げた通り、埼玉県指定の史跡で、昭和26年3月31日に指定されました。
• - 桐戸の絵: 熊谷市指定の有形文化財として昭和29年11月3日に指定。
• - 五輪塔所刻板石塔婆: 熊谷市指定の有形文化財として昭和34年11月3日に指定されています。
• - 天海像、家康像、悉曇字母表: これらもすべて熊谷市指定の有形文化財で、昭和37年11月3日に指定。
• - 釈迦涅槃図: 同様に、熊谷市指定の有形文化財として昭和51年11月3日に指定。
• - 天野氏の墓: こちらは熊谷市指定の史跡として昭和51年11月3日に指定されています。
• - 常光院本堂: 熊谷市指定の有形文化財として平成30年3月30日に認定されています。
• - 金子兜太句碑: 文芸的な価値も有する文化財です。

これらの文化財は、常光院の文化遺産として大切にされ、地域の歴史を物語っています。いずれも、地域文化を深く理解するための貴重な資源となっています。

交通アクセス

常光院へのアクセスは、熊谷駅北口から国際十王交通路線バスのKM31・32系統に乗り、竹之内停留所で下車後、徒歩わずか2分の距離にあります。交通の便も良く、多くの参拝者や文化財を見学しに訪れる人々にとって、訪れやすい立地となっています。

歴史的背景、文化財の保存、そして交通アクセスの良さを備えた常光院は、熊谷市における歴史的な重要拠点として、今日も多くの人々に親しまれています。

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