常盤城

常盤城（ときわじょう）

常盤城は、愛媛県南宇和郡愛南町、城辺平野の中央に位置する標高35mの諏訪山に築かれた山城です。僧都川と蓮乗寺川に挟まれたこの地は、かつて「御荘殿」と呼ばれた勧修寺氏の本拠地でした。

歴史

勧修寺氏は、伊予の有力大名であった西園寺氏の傘下に入り、永正年間から天文年間にかけて常盤城を築城したと考えられています。周辺には大森城、数城、今木城、鳶巣城、緑城、猿越城などの支城を配し、地域を統括していました。

しかし、その歴史は戦乱の時代と重なります。永禄元年（1558年）には大友氏の侵攻を受け、天正3年（1575年）には土佐を統一した長宗我部氏の攻撃に晒されました。一時、土佐一条氏を支援し、逆に土佐へ侵攻する場面もありましたが、天正11年（1583年）には長宗我部氏によって猿越城と緑城を落とされ、劣勢に立たされます。そして天正12年（1584年）、ついに長宗我部氏に降伏することとなりました。

豊臣秀吉による四国平定後、天正15年（1587年）に戸田勝隆が新たな領主として入封すると、勧修寺氏は常盤城からの退去を余儀なくされ、京へと上りました。

現在

現在、常盤城跡は諏訪公園として整備され、人々に親しまれています。往時の面影を残す石垣などがわずかに残存し、その歴史を偲ぶことができます。1964年には、支城であった大森城、緑城とともに愛南町の史跡に指定されました。

常盤城は、戦国時代の南伊予における勢力争いを物語る貴重な史跡であり、地域の歴史と文化を伝える重要な存在となっています。訪れる人々は、かつての城の姿を想像しながら、この地の歴史に思いを馳せることができます。

参考文献

角川日本地名大辞典編纂委員会『角川日本地名大辞典（38.愛媛県）』、角川書店、1991年
日本歴史地名大系 (オンライン版)

関連項目

日本の城一覧

外部リンク

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