常盤座 (岐阜県)

常盤座とは

常盤座（ときわざ）は、岐阜県中津川市の高山地区に位置する芝居小屋であり、中津川市指定の重要文化財です。この地域は、地元の住民による地芝居（歌舞伎）が根付いており、数多くの芝居小屋が設立されています。常盤座は、その中でも特に注目される場所の一つです。

地域の歌舞伎文化

岐阜県、特に美濃国と飛騨国では、歌舞伎が地域文化の一部として非常に盛んに行われています。現在でも、各地で歌舞伎保存会が活動しており、地域の人々によって伝承されています。常盤座がある東濃地域（中津川市・恵那市）は特に活発であり、多くの芝居小屋が残っております。

常盤座の歴史

常盤座は、元々南宮神社という神社の境内で芝居が行われていたことに起源があります。1869年には南宮神社が常磐神社に改称され、1891年には神社の境内に演劇所として常盤座が創設されました。初めての公演はこけら落としとして5月6日に行われ、その際は「常盤演劇場」という名称で呼ばれていました。その後、1901年に常盤座と改名され、さらなる改修が施されました。

興行活動

常盤座では、毎年4月の第3土曜日と日曜日に開催される常磐神社大祭の際に素人歌舞伎が奉納されます。加えて、毎年3月下旬には常盤座歌舞伎保存会による定期公演も行われており、これに参加することで地元の人々が歌舞伎の伝統を体験・継承しています。また、地元の文化イベントとしてコンサートや落語など多彩な行事も行われており、地域の文化活動が活気づいています。

戦後の復興と近年の改修

1945年には、戦争の影響で常盤座が倉庫として利用され、一時的に歌舞伎の上演が中止されましたが、1947年には再び歌舞伎が再開されました。この頃、資材不足により廻り舞台の修復は行われず、廃止されることとなります。1975年にも改修工事が行われ、1983年、1992年にもさらなる改修が施されました。1995年には大規模な改修が実施され、廻り舞台が復活しました。

建築の特徴とアクセス

常盤座の建物は、間口17.1メートル、奥行26.9メートルの2階建てで、正面は入母屋、妻入の伝統的な形式を持っています。舞台のサイズは間口11.2メートル、奥行8.3メートルと広く、回り舞台を有する特徴があります。

所在地
岐阜県中津川市高山1026-1

交通アクセス
国道257号の「高山交差点」から岐阜県道408号を西へ進み、北恵那交通付知峡線の「高山」バス停から徒歩約20分で到達できます。また、JR中央本線の中津川駅から「付知峡倉屋温泉行き」のバスを利用することでもアクセス可能です。

まとめ

常盤座はその独特な歴史と地域文化の継承において重要な役割を果たし続けています。今後もこの地で歌舞伎文化が保存され、発展していくことを期待されています。

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