常磐町 (高松市)

常磐町（ときわちょう）

香川県高松市の中心部に位置する町丁で、郵便番号は760-0054です。一丁目と二丁目から構成されていますが、住居表示に関する法律に基づく住居表示は実施されていません。

地理

高松市役所から約0.6km南東に位置し、高松市都心の主要な一角を占めます。地理的な境界としては、東側をことでん琴平線の線路敷に画され、南側は主要幹線道路である観光通り、西側は高松中央商店街、北側は菊池寛通りに面した建物の裏手に接しています。

町域のうち一丁目は、高松琴平電気鉄道瓦町駅の所在地であり、その駅前エリアとして発展しています。ここを中心として常磐町商店街（通称：トキワ街）が広がり、活気あふれる商業地区が形成されています。二丁目もまた、飲食店や様々なテナントが入居する雑居ビルが主に見られます。高松中央商店街や瓦町といった周辺の繁華街に近いことから、多くの駐車場も立地しており、商業活動や来訪者の利便性を支えています。なお、常磐町商店街から北へ延びる「トキワ新町商店街（通称：トキ新）」は、名前は似ていますが常磐町ではなく隣接する瓦町に属しています。

町内における都市計画法に基づく用途地域は全域が商業地域に指定されており、高い土地利用が図られています。容積率は、大部分が500%に設定されていますが、フェリー通り以西の観光通り沿いの街区は600%、ことでん瓦町駅ビル東側は400%となっています。

統計・校区

2010年の国勢調査によると、常磐町の人口は433人（男性225人、女性208人）、世帯数は268世帯です。面積は7万6417.73平方メートルで、人口密度は約5666.2人/km²となります。

公立の小中学校に関しては、一丁目が小中一貫校である高松第一小学校・中学校の校区に、二丁目が花園小学校および玉藻中学校の校区にそれぞれ属しています。

歴史

「常磐町」という町名の由来は、かつてこの地で事業を展開した溝渕寿吉氏（現在の常磐興業創業者）に深く関わっています。溝渕氏が現在のトキワ街周辺の土地を取得し、1928年（昭和3年）7月に演劇場「常磐座」、1943年（昭和18年）12月に常磐映画館などを建設し、このエリアを「常磐」と称したことに始まります。町名を決定する際、「常盤」と「常磐」の案がありましたが、溝渕氏は「盤（皿）」のように割れる可能性のある字ではなく、「石」のように永続し、破られることのない字である「常磐」を強く主張し、この字が採用されました。この「石」へのこだわりは、常磐街に敷き詰められていた市内電車の敷石にも通じ、この石畳は約20年間にわたり（1968年（昭和43年）秋に舗装されるまで）、常磐街の象徴的な存在となっていました。

常磐町は、1958年（昭和33年）に周辺の町域を再編して新設されました。新設にあたっては、田町、新瓦町、西瓦町、南新町、塩上町、南瓦町の各一部が合併されています。このうち、新設前の常磐町の土地は、大部分が「瓦町」を冠する一連の町の一部でした。

特に、かつて存在した東瓦町、新瓦町、西瓦町、南瓦町のうち、東瓦町、新瓦町、西瓦町は江戸時代から高松城の城下町の一部であった歴史を持ちます。一方、南瓦町は明治時代まで香川郡東浜村の一部であり、1890年（明治23年）2月15日に高松市が市制施行した際に高松市に編入されました。編入当初は正式な町名がなく、「瓦焼」という通称地名で呼ばれていましたが、1914年（大正3年）になり、瓦町の南に位置することから「南瓦町」という正式な町名が設定されました。「瓦焼」という地名は、東浜村時代の新瓦町でも使用されていたものです。旧南瓦町には、かつて千日念仏堂があり、生駒藩時代に行われていた斬罪場（処刑場）にまつわる千日供養が行われていたと伝えられています。

おおむね、現在の瓦町一丁目が旧東瓦町、現在の瓦町二丁目の南東部を除く地域が旧西瓦町、現在の瓦町二丁目の南東部と常磐町一丁目が旧新瓦町、そして現在の常磐町二丁目が旧南瓦町に相当するとされています。これらの旧町割りの名残は現在ではほとんど失われていますが、路線バスの停留所名として「南瓦町」の名が残されており、歴史の一端を伝えています。

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