常福寺 (四国中央市)

常福寺の概要

常福寺（じょうふくじ）は、愛媛県四国中央市の川滝町にある高野山真言宗の寺院です。普段は「椿堂」とも呼ばれ、豊かな自然環境に囲まれています。境内には、本尊として大聖不動明王立像と延命地蔵菩薩立像の2つの尊像が祀られています。四国別格二十霊場の14番札所でもあり、多くの巡礼者が訪れています。

歴史

常福寺の起源は、平安時代初期の大同2年（807年）まで遡ります。当時、邦治居士が地蔵菩薩を祀り、庵を構えたのが始まりだと言われています。また、弘仁6年（815年）には空海（弘法大師）がこの地に立ち寄り、流行していた熱病を鎮めるために杖を地に突き刺し、その杖から芽を出した椿が成長したという伝説も残っています。この出来事から「椿堂」と名付けられたのです。

歴史的には、江戸時代中期には火災によって何度か再建された経緯があり、特に宝暦11年（1761年）に大規模な火災で全焼した後には、椿堂の場所に復興が図られました。しかし、その後も火災に悩まされ続け、1874年（幕末の安政6年）に再度火災が発生したことで、椿の木も焼けてしまいました。今の椿は、その焼け跡から再び芽を出したもので「大師お杖椿」と称されています。

境内の特徴

常福寺の境内は、歴史的な遺産や風情ある建物に恵まれています。本堂には、金色に輝く地蔵菩薩像が安置され、外からでもその姿を拝むことができます。一方で、不動明王像は黒光りしており、外からの眺めは難しいです。本堂の両脇には、阿弥陀如来像と毘沙門天像が立ち並び、神聖な雰囲気を醸し出しています。

また、大師堂には新しい大師像が安置されており、毎月20日の午後7時からは護摩焚きが行われています。この護摩焚きは自由に参加でき、多くの信者が訪れる行事となっています。

文化財と伝承

常福寺には、数多くの文化財や伝承も残されています。特に、史跡として有名な非核不動明王石像は、核兵器廃絶を願って名づけられたもので、和平のシンボルとしての役割を果たしています。また、「おさわり大師」という石造の師像が境内にあり、訪れた人々がその像に触れることで願いを込める伝統もございます。

さらに、境内には「一系」や「川端龍子」などの句碑が点在し、地域の文学文化とも深く結びついています。俳人たちの詩句が境内の風景を彩り、訪れる人々に深い感慨をもたらします。

アクセス

常福寺へのアクセスは非常に便利です。最寄りの川之江駅からは約8.1km、セタウチバスの「椿堂」停留所からはわずか0.1kmと近く、歩き遍路の道沿いにも位置しています。自動車の場合は、国道192号からもアクセスでき、無料駐車場も完備されているため、訪れるのに便利です。

地域の四国別格二十霊場や四国三十六不動霊場に属し、多くの巡礼者に愛され続けており、今後も多くの人々にとっての信仰の場として栄えていくことでしょう。

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