常福寺 (那珂市)

常福寺は、茨城県那珂市瓜連に位置する浄土宗の寺院です。山号は草地山、院号は蓮華院と称し、本尊には阿弥陀如来を祀っています。

歴史

寺伝によれば、常福寺は1338年（延元3年）に了実によって常陸国佐都郡に創建されたと伝えられています。その後、1405年（応永12年）に瓜連城の跡地である現在地に移転しました。この地は、かつて瓜連城という城郭があった場所で、その歴史的な背景も寺の由緒を語る上で重要な要素となっています。江戸時代には、常福寺は浄土宗の檀林として栄え、多くの僧侶が学問に励む場所となりました。この檀林の設置は、常福寺が地域における仏教文化の中心地としての役割を担っていたことを示しています。

文化財

常福寺には、数多くの貴重な文化財が所蔵されており、その歴史と文化的な価値を今に伝えています。以下に主な文化財を紹介します。

重要文化財（国指定）

紙本著色拾遺古徳伝 9巻: この絵巻は、仏教の祖師たちの伝記を描いたもので、その美しい色彩と繊細な描写は、当時の絵画技術の高さを物語っています。
絹本著色法然上人像: 浄土宗の開祖である法然上人の肖像画で、その姿は敬虔な信仰心を呼び起こします。

茨城県指定有形文化財

銅造阿弥陀如来立像: 銅で造られた阿弥陀如来の立像で、その姿は荘厳で、見る者に深い感動を与えます。
涅槃図: お釈迦様の入滅の様子を描いたもので、仏教美術の重要な作品です。
智光曼荼羅: 密教の教えを視覚的に表現したもので、その複雑な構図と色彩は、見る者を魅了します。
清海曼荼羅: 同じく密教の曼荼羅で、智光曼荼羅とは異なる表現が見られます。
説相箱: 法話の際に用いられた箱で、その意匠は当時の工芸技術を伝えています。
七官青磁香炉台: 青磁で作られた香炉台で、その美しい形状と釉薬は、高い美術的価値を有しています。
八稜鏡: 八角形の鏡で、古代の鏡の形を伝えています。
別当職譲状（了誉筆）: 了誉によって書かれた別当職の譲状で、寺の歴史を物語る貴重な資料です。
日本書紀私鈔並びに人王百代具名記: 歴史書である日本書紀の写本と、歴代天皇の名前を記したもので、歴史研究上重要な資料です。
阿弥陀経: 浄土宗で重要な経典の一つである阿弥陀経の写本です。

茨城県指定史跡

瓜連城跡: 常福寺のある場所は、かつて瓜連城という城があった場所で、その城跡は県の史跡に指定されています。この城跡は、寺の歴史を語る上で重要な要素であり、訪れる人々に歴史の面影を伝えています。

関連項目

関東十八檀林: 常福寺は、関東地方に置かれた浄土宗の檀林の一つであり、仏教文化の発展に大きく貢献しました。

外部リンク

常福寺
那珂市文化財一覧 - 茨城県教育委員会

常福寺は、長い歴史の中で数々の変遷を経てきましたが、その信仰の灯は今もなお絶えることなく、多くの人々にとって心の拠り所となっています。

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