幕末未来人

幕末未来人

『幕末未来人』は、1977年にNHKで放送された少年ドラマシリーズの一作です。眉村卓の短編小説『名残の雪』を原作とし、高校生が幕末時代にタイムスリップするというSF時代劇です。

概要

本作は、1977年9月5日から9月29日まで、毎週月曜日から木曜日にかけて放送されました。全16話で、放送時間は各話18時20分から18時39分30秒でした。

原作は、雑誌社の守衛である伊藤良平の遺品から発見された手記という形で、伊藤と友人である和田隆が幕末にタイムスリップした経験が綴られているという導入部から始まります。ドラマ版では、和田と伊藤が高校生に変更され、オリジナルキャラクターが追加されるなど、番組の性格に合わせて脚色されています。

脚本を担当した蓬萊泰三によれば、短編小説を16話のドラマにするにあたり、原作からアイディアを借りつつ、登場人物の年齢設定や生死、結末などを変更したとのことです。原作では、伊藤の手記を「ぼく」が読む形で幕末時代の出来事が語られますが、ドラマ版では主に和田の視点からリアルタイムに描かれています。

ストーリー

ある日曜日、高校2年生の和田文彦は、船マニアの同級生である伊藤良に誘われ、横須賀の戦艦三笠を見学に訪れます。三笠の司令室で、突然不思議な現象が発生し、あたりが暗転。次の瞬間、二人は見覚えのない帆船の上にいました。

数々の不可解な出来事に遭遇した二人は、自分たちが100年前の幕末時代にタイムスリップしてしまったことに気づきます。昭和の時代に帰る日まで、二人はこの時代で生き抜くことを決意します。しかし、文彦が持っていた歴史年表が幕府に悪用され、本来の歴史とは異なる歴史が作られようとしていました。

キャスト

和田文彦：星野利晴
伊藤良：沢村正一
ゆき：古手川祐子
たか：万里昌代
仙吉：犬塚弘
樫岡：蟹江敬三
御上役：納谷悟朗
大津屋：田中明夫
番頭：坂本長利
桂小五郎：森下哲夫
幾松：日向亜希
沖田総司：市山登

スタッフ

原作：眉村卓「名残の雪」（角川文庫『思いあがりの夏』所収）
脚本：蓬萊泰三
音楽：樋口康雄
制作：黛叶
演出：佐藤和哉（1 - 4、9 - 12話）、小山攻（5 - 8、13 - 16話）

関連商品

DVD「NHK少年ドラマシリーズ 幕末未来人I・II・III」（アミューズソフト）
シナリオ集「幕末未来人」（大和書房）

関連項目

幕末高校生 - 原作の眉村卓が原案に協力

外部リンク

少年ドラマシリーズ 幕末未来人 - NHK放送史
少年ドラマシリーズ 『幕末未来人』｜番組｜NHKアーカイブス
* 空想・仮想・理想・妄想！【もしもドラマ】｜番組｜NHKアーカイブス

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