原内閣

原内閣の概要

原内閣（はらないかく）は、衆議院議員であり、立憲政友会の総裁である原敬が第19代内閣総理大臣として任命され、1918年の9月29日から1921年の11月13日までの間に存在した日本の内閣です。この内閣は、陸軍大臣、海軍大臣、外務大臣を除く国務大臣が全て原敬が属する立憲政友会の党員で構成されているため、日本初の本格的な政党内閣との評価を受けています。この政治の流れは、前内閣第1次大隈内閣に続くものであり、1970年代の日本の政治における重要な転機を意味します。

内閣の人事と構成

原内閣は、1918年の9月29日に正式に発足し、その後の在任日数は合計で1,133日となりました。内閣の主要なポジションの中で、内閣書記官長や法制局長官は同日に任命されました。一方で、参政官のポジションは1920年の5月15日に廃止され、元々の内閣構成は安定しました。また、原敬が就任中に内閣総理大臣の臨時代理に内田が任命されたが、在職はわずか10日間でした。

政治局面の変遷

大正中期における日本の国政では、立憲政友会が衆議院において主要な勢力となっていました。しかし、天皇に対して首相の奏請権を持つ山縣有朋が政友会を忌避していたため、当初原敬の首相就任は難航していました.

1918年に、寺内正毅元首相が健康上の理由で辞職したことを受け、山縣は原を首相に任命することを決定し、原内閣が正式に誕生しました。原内閣は特に、国内外の問題に対して独自の政策を展開し、時代の要請に応じた政府運営を試みました。

主な政策

原内閣の政策の一つには、シベリア出兵があります。これはロシアにおける革命の影響に対処するためのもので、前内閣である寺内内閣から派遣された軍隊が、原内閣の方針に基づいて迅速に撤退を進めました。特に、1918年の10月には、バイカル湖からの撤兵が閣議決定され、翌年には米国と足並みを揃える形で日本軍の撤退が実施されました。結果的に、革命への日本の介入は失敗に終わりました。

次に、第一次世界大戦を受けたパリ講和会議への参加です。原内閣は西園寺公望元首相を派遣し、日本の意見を反映させることに成功しました。日本は、この会議を通じてドイツが失陥した地域を編入する機会を得、国際的地位の向上を見ました。

さらに、選挙権の拡大にも取り組みました。1919年には公職選挙法の改正が行われ、国税の要件が従来の10円から3円に引き下げられ、より多くの市民に選挙権が与えられる道を開きました。しかし、さらなる拡大には消極的であったため、政治対立から衆議院を解散する決定を下しました。

また、宮中問題も原内閣にとって重要な課題でした。原は、天皇の摂政問題や宮中の動乱を静めるために果敢な対応を行い、政局の安定を図りました。これにより彼らの政治的基盤は強化されましたが、原自身は1921年の11月に暗殺され、その結果総辞職の運命を迎えました。後に高橋是清がその職を継ぎ、政友会内閣は存続しました。

原内閣の歴史的な意義は、政党内閣としての体制整備や外交政策の展開を図った点にあります。これにより、日本の政治は新たな局面を迎えたのです。

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