干物女

干物女とは

「干物女（ひものおんな）」とは、恋愛を面倒くさがり、様々なことを適当に済ませてしまう女性を指す言葉です。この言葉は、2004年から漫画『ホタルノヒカリ』に登場した主人公の生活スタイルから生まれました。

概要

この言葉の原点は、漫画『ホタルノヒカリ』の主人公、雨宮蛍の生活ぶりです。蛍は、平日は仕事から帰ると漫画を読みながら一人でお酒を飲み、休日は一日中布団の中でゴロゴロして過ごすことを好みます。恋愛から遠ざかり、だらしない生活を送る彼女の姿は、「干物のように枯れ果てた」と表現され、「干物女」と呼ばれるようになりました。

漫画の中では、以前は恋愛に積極的だった時期があったものの、今はその頃の思い出を反芻するばかりで、まるで干物を噛みしめているかのようだ、と比喩されています。つまり、「以前には恋愛経験がある」ことが前提となっており、恋愛経験がない「喪女」とは異なる存在です。

発展

「干物女」という言葉は、2007年には「ユーキャン新語・流行語大賞」の候補にノミネートされるほど広まりました。しかし、この言葉が広まるにつれて、その定義は曖昧になっていきました。恋愛以外が充実している女性でも、面倒くさがりで恋愛を避ける傾向があれば「干物系女子」と呼ばれるようになり、「さとり世代」に多いという説も登場しました。

定義と特徴

漫画家のひうらさとる氏は、「干物女」は「恋愛は面倒くさいからしない」という考えを持つと述べています。基本的には、10代後半から30代の、面倒くさがりで恋愛を放棄する女性を指します。具体的な特徴としては、以下のようなものが挙げられます。

メールの返事が極端に遅い、または短い
簡単な食事は台所で立って食べる
忘れ物を、靴を履いたまま膝立ちで部屋に取りに行く
休日はノーメイクでノーブラ
半年以上美容室に行っていない
冬場はムダ毛の処理を怠る、またはしない
一人で居酒屋に入れる
最近ドキドキしていない

これらの特徴を持つ女性は、必ずしも恋愛を完全に諦めているわけではなく、面倒くささから恋愛を避けているだけの場合が多いです。

関連作品

「干物女」をテーマにした作品や、その特徴を持つキャラクターが登場する作品には、以下のようなものがあります。

ひうらさとる『ホタルノヒカリ』（講談社）
サンカクヘッド『干物妹!うまるちゃん』（集英社）
あいだ夏波『スイッチガール!!』（集英社）
CIRCUS『D.C.II 〜ダ・カーポII〜』 - 朝倉由夢が該当

関連項目

「干物女」と関連する言葉としては、以下のようなものがあります。

絶食系男子
負け犬
負け組
格差社会
* 喪女（もてない女性の意）

これらの言葉は、社会的な状況や個人の価値観の変化を背景に、恋愛や生活に対するさまざまな考え方を表しています。干物女という言葉は、単なるライフスタイルを示すだけでなく、現代社会における女性の多様な生き方を象徴する言葉とも言えるでしょう。

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