平井一臣

平井 一臣

ひらい かずおみ。1958年4月30日生まれ。日本の政治学者であり、鹿児島大学で教授を務めている。専門分野は、日本の政治史および地域政治。

来歴

宮崎県都城市に生まれる。1982年に九州大学法学部を卒業。その後、同大学院法学研究科政治学専攻に進学し、1987年に単位を取得して退学した。大学院修了後、九州大学の助手として研究キャリアをスタートさせる。1989年には鹿児島大学教養部の講師に就任し、翌1990年に助教授に昇任した。1997年からは同学部法文学部の助教授となり、2001年より同学部の教授として現在に至る。

学術的な業績としては、1998年に九州大学より法学博士の学位を取得している。博士論文のタイトルは「『地域ファシズム』の歴史像―国家改造運動と地域政治社会」であり、戦前期の国家改造運動と地域社会との関係性を歴史的に解明した研究である。

研究と業績

平井一臣氏の研究は、日本政治史、特に戦前期の国家と地域社会の関係性や「地域ファシズム」といったテーマから出発し、現代日本の地域政治や地方自治が抱える問題、さらには戦後日本の市民運動（例としてベ平連）に至るまで、広範なテーマを扱っている。長年の研究活動を通じて、多くの学術的な成果を発表しており、その内容は著書や共編著、論文としてまとめられている。

特に、『「地域ファシズム」の歴史像 国家改造運動と地域政治社会』は、博士論文を基にしたものであり、この分野における重要な貢献と評価されている。また、『首長の暴走 あくね問題の政治学』では、具体的な地方自治体の事例を通して、現代の地方政治における課題を分析。さらに、『ベ平連とその時代: 身ぶりとしての政治』では、戦後の代表的な市民運動であるベ平連に焦点を当て、その政治的な意味合いを探求するなど、研究対象は多岐にわたる。これらの著書や共編著は、大学での講義や研究活動の成果を社会に還元するものであり、政治学の教育・研究の発展に寄与している。

主な著書

『「地域ファシズム」の歴史像 国家改造運動と地域政治社会』法律文化社 2000年
『首長の暴走 あくね問題の政治学』法律文化社 2011年
『ベ平連とその時代: 身ぶりとしての政治』有志舎 2020年

主な共編著

『自分からの政治学』石川捷治共編 法律文化社 1996年
『地方自治利権と諦めに終止符を』五十嵐敬喜, 坂東義雄, 増本亨, 続博治, 平神純子共著 地方議員と市民の政策研究会編 南方新社 1998年
『地域から問う国家・社会・世界 「九州・沖縄」から何が見えるか』石川捷治共編 ナカニシヤ出版 2000年
『実践の政治学』畑山敏夫共編 法律文化社 2001年
『終わらない20世紀 東アジア政治史1894～』石川捷治共編 法律文化社 2003年
『かかわりの政治学』編 法律文化社 2005年
『新・実践の政治学』畑山敏夫共編 法律文化社 2007年
『地方議会再生 名古屋・大阪・阿久根から』加茂利男, 白藤博行, 加藤幸雄, 榊原秀訓, 柏原誠共著 自治体研究社 2011年
『ポスト・フクシマの政治学 新しい実践の政治学をめざして』畑山敏夫共編著 法律文化社 2014年
『知られざる境界のしま・奄美 (ブックレット・ボーダーズ8) 』編著 北海道大学出版会 2021年
『つながる政治学〔改訂版〕: 12の問いから考える』土肥勲嗣共編著 法律文化社 2022年

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