平井隆太郎

平井 隆太郎について

平井隆太郎（ひらい りゅうたろう）は、1921年2月15日に大阪府で生まれ、2015年12月9日に94歳で亡くなった日本の心理学者であり新聞学者です。立教大学の名誉教授として、彼は心理学の研究と教育に多大な貢献をしました。彼の父は著名な推理作家である江戸川乱歩の名で知られる平井太郎であり、家庭環境からも影響を受けたことでしょう。

生い立ちと教育

平井は大阪府北河内郡守口町で育ち、教育の初期段階を東京府立第五中学校で過ごしました。その後、1年間の浪人を経て第一高等学校に入学し、1942年には東京帝国大学の文学部心理学科に入学しました。彼は1943年に学徒出陣として徴兵され、海軍に従事することとなりました。この時期には高射砲の専門的訓練を受け、最終的には海軍少尉として航空隊に配属されるまで成長しました。復員後、彼は東京大学法学部に再入学し、1949年に卒業を果たします。

学問の道

卒業後、平井は東京大学新聞研究所で助手としての職に就き、1952年には立教大学文学部の非常勤講師として教壇に立ちました。1953年には助教授に昇進し、1960年には社会学部の教授に就任します。教授としての活動を行う傍ら、彼は多くの研究や講義を通じて学生たちに心理学や社会学の重要性を伝えました。特に1964年から1965年にかけてベルリンでの研究出張を行ったことは、彼の学問的な視野を広げる大きな経験となりました。また、立教大学ミステリクラブの顧問にも就任し、江戸川乱歩の作品に対する多方面からの理解を促進しました。

業績と貢献

平井は多くの研究論文や著書を発表しており、心理学や教育学、及び新聞学の分野での業績が評価されています。代表的な論文として「かわら版の一類型とその背景」や「噂の病態」などがあり、日本におけるメディアや情報の特質についても洞察を示しています。また、彼の著書には『児童心理学』『人間の社会心理』『放送研究入門』などがあり、特に心理学や教育に関する考察が評価されています。さらに、江戸川乱歩関連の書籍の監修者として彼の存在は特に注目され、ランボの遺品や資料の保存にも尽力したことで知られています。

余生と影響

1986年には立教大学名誉教授の称号を受け、長年にわたり教育界における指導者としての地位を確立しました。彼は息子の平井憲太郎と共に、その遺産を受け継ぎ、乱歩の作品と研究を通じて日本の文学界にも影響を与えました。2015年に肺炎により死去した平井の墓所は多磨霊園にあり、彼の業績と影響は今でも多くの人々に語り継がれています。彼の生涯を通じての教育と研究は、心理学やメディア研究の発展に寄与し、後進の学者たちへの道を切り開くこととなりました。

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