平出慶一

平出慶一の生涯と業績

平出慶一（ひらいで けいいち、1882年8月15日 - 1975年）は、日本の牧師であり神学校教師として知られています。日本福音キリスト教団の創設者でもある彼は、キリスト教の伝道と教育において重要な役割を果たしました。

平出は長野県諏訪郡境村（現在の富士見町）で生まれましたが、幼少期には親や兄弟を失うという辛い経験をしました。1903年、彼は聖書を読みキリスト教信仰を持つようになり、長野県下諏訪町に移って教会生活を始めました。有名な伝道師である伊藤藤吉を自宅に招くことで、彼の教会での生活が始まります。同年12月20日、伊藤牧師から洗礼を受けたことが、平出の信仰の出発点となりました。

その後、J・H・バラ宣教師や田中継子伝道師から信仰についての指導を受け、1904年には柳沢譲と共に東京の東洋宣教会聖書学院に進学します。彼は中田重治や笹尾鉄三郎といった著名な先輩たちから学び、これが今後の彼の活動において大いに役立つことになります。

平出は1905年からヘフジバ・ミッション銚子教会で牧師としての伝道活動を開始し、1909年にはアメリカに渡ってテーラー大学やドルー神学校、ボストン大学大学院で神学を学びました。この期間中、彼は全米を巡回しながら伝道を行い、多くの経験を積みました。

1917年に帰国した平出は、内村鑑三や中田重治、木村清松らと共に再臨運動を展開し、日本メソジスト教会の教職として活動を続けました。1927年にはA.B.シンプソンの推薦を受けて日本アライアンス神学校の校長に就任し、教育においても重要な役割を果たしました。1933年には、聖書信仰連盟の理事として選ばれ、翌年には東京で日本一致神学校を設立しました。

第二次世界大戦後の1946年には、国際基督教大学の創立に参加し、1947年には成城学園の女学校の講堂を借りて成城キリスト教会を設立しました。1951年には日本福音連盟の初代理事長に就任し、きよめ派の指導者としても知られました。

平出は1955年に東京都調布市に保恵学園教会を創立。さらに1963年には再臨運動を再び提唱し、再臨待望同志会を結成しました。彼の生涯を通じて、平出慶一は日本のキリスト教界に深い影響を与え続け、教育と信仰の両面から貢献を果たした人物でした。

参考文献

• - 『日本キリスト教歴史大事典』教文館、1988年
• - 中村敏『日本における福音派の歴史』いのちのことば社、2000年

もう一度検索