平出遺跡

平出遺跡：縄文から平安へ、時を超えた集落の物語

長野県塩尻市宗賀平出に位置する平出遺跡は、縄文時代から平安時代にかけての複合[[遺跡]]であり、その歴史は実に5000年にも及びます。1952年に国の史跡に指定され、古代の生活を今に伝える貴重な場所として、多くの人々が訪れます。

遺跡の概要

平出遺跡は、縄文時代から平安時代にかけての大規模な集落跡であり、1950年から本格的な発掘調査が開始されました。これまでに290棟を超える竪穴建物跡や掘立柱建物跡が発見されており、土器、石器、鉄器など、当時の生活を物語る豊富な出土品が出土しています。かつては、尖石遺跡や登呂[[遺跡]]と並び、日本の三大遺跡の一つに数えられていました。遺跡内には平出遺跡公園ガイダンス棟があり、徒歩5分の場所には塩尻市立平出博物館が併設されています。

集落の歴史と出土品

集落の歴史は縄文時代早期にまで遡り、縄文時代全期間にわたる痕跡が確認されています。特に縄文時代中期（約4500年前～5500年前）には最も繁栄し、110棟以上の建物跡が発見されています。この時期の土器は豪華な文様で飾られ、石器類も豊富に出土しています。弥生時代の建物跡は発掘されていませんが、弥生土器は採集されているため、今後の発掘調査で新たな発見があるかもしれません。

古墳時代には、80棟以上の掘立柱建物跡が発掘されており、住居や倉庫として使われていたと考えられています。建物内からは、土師器、須恵器、鉄製の鋤や鎌などの多くの遺物が出土しており、当時の集落の繁栄ぶりを物語っています。特に、弥生時代のものとされる柴宮銅鐸や、平安時代初期のものとされる緑釉水瓶は長野県宝に指定されています。

建物の復元

遺跡内には、縄文時代中期（約5000年前）の茅葺き屋根の建物7棟が復元されており、信仰の対象となった立石が置かれた広場も再現されています。古墳時代には、有力者の家と推定される大型建物と高床倉庫が復元され、桃などの果樹園や森が整備され、6世紀末から7世紀初頭の農村の様子が再現されています。さらに、平安時代には、複数家族が暮らした家並みとして4棟の建物と納屋が復元され、周辺には畑や植生が整備され、当時の農村の様子をうかがい知ることができます。

ガイダンス棟と博物館

平出遺跡公園ガイダンス棟では、資料室や休憩コーナーが設けられており、平出遺跡に関する学習ができます。入館は無料で、各種の体験学習（火起こし、勾玉作り、土器作りなど）も可能です。遺跡から徒歩5分の場所には、塩尻市立平出博物館（平出遺跡考古博物館、歴史民俗資料館、瓦塔館の3館の総称）があり、出土品を間近に見ることができます。

沿革

1947年、畑から緑釉水瓶が発見されたことをきっかけに、発掘調査が始まりました。1950年には、宗賀村主体の調査団により本格的な学術調査が開始され、1952年には国の史跡に指定されました。その後も、博物館の開館や史跡公園の整備が進められ、2008年には平出遺跡公園ガイダンス棟が開館、2010年には古代の農村（古墳時代地区）がオープンしました。

アクセス

塩尻駅（JR東日本・JR東海）からバスで10分、徒歩20分
塩尻ICから国道20・19号線経由6km15分

平出遺跡は、古代のロマンを感じさせる場所として、多くの人々に愛されています。ぜひ一度訪れて、古代の人々の息吹を感じてみてください。

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