平参平

平参平（たいら さんぺい）は、本名 橘高 文夫（きったか ふみお）として、1916年11月10日に広島県府中市で生まれました。別名として近松 小二郎（ちかまつ こじろう）の名も使用していました。吉本新喜劇の男優として、岡八朗、花紀京、山田スミ子、木村進、桑原和男らと共に、吉本新喜劇の黄金時代を築き上げた看板座長の一人です。1986年9月14日、肝不全のため70歳で亡くなりました。

経歴

平参平は1930年、府中中学（現広島県立府中高校）を中退後、上京。新派の近江二郎に師事した後、浅草で女剣劇の一座に入ります。そこで榎本健一の舞台を見て喜劇俳優を志すようになりました。1942年に召集され、満州で終戦を迎え、シベリア抑留を経て1948年に帰国。木下楽劇座の座長として地方を巡業しました。

1959年6月、吉本興業に入り、漫才コンビ「平ペット・北村ハッピー」の平ペットとして活動後、吉本新喜劇に入団。1961年には座長に就任しました。若い頃から老け役専門、脇役専門で、1968年には吉本新喜劇は平と花紀京、秋山たか志（漫才師の秋山右楽・左楽の右楽の息子）を座長とする三つの組に分かれました。花紀、秋山が主役を張るのに対して平はあくまで脇にこだわり、新しい才能に主役をやらせて、自らは脇を固めるというスタイルを確立し、爺さんキャラの看板座長として不動の地位を築きました。岡八郎、木村進、間寛平、阿吾寿朗らは平参平に見出され、世に出るきっかけを得ました。

白木みのるとのコンビでは、「毎度おおきに」などのテレビのコメディ番組や「てなもんや三度笠」に出演し人気を博しました。映画にも多数出演しており、「無法松の一生」、「座頭市二段斬り」、「喜劇トルコ風呂 王将戦」、「まむしの兄弟 二人合せて30犯」など、脇役として存在感を発揮しました。

芸風・人物

右手を力なく振り下ろす動作で発する「いや、そんなこと言うてからに、ホンマにア～ホ～」の定番ギャグや、「ひざが壊れてしもうた」と、片足をカクカクさせて歩き、脚気の検査のように自分でひざを叩くと、足がぴょんと伸びて相手の股間を蹴る動きギャグが有名です。面倒見の良い人柄で多くの後輩芸人から慕われ、吉本興業関係者から身の上相談を受けることも多かったといいます。

1986年2月には、うめだ花月にて『平参平芸能生活50周年記念公演』を開催しましたが、同年4月に体調を崩し交通事故を起こして入院。肝硬変からの肝臓癌が発覚し、同年9月14日に肝不全のため死去。最後の舞台は、記念公演から僅か2か月後のうめだ花月・昭和61年4月上席の新喜劇となりました。

ギャグ

あーほー：吉本新喜劇で使われたギャグ。
かなわんわ、もう：「小説吉本興業」によれば彼がそう発言すると客が一斉に「アホ！」と叫び平は舞台から落下し独自の足を突っ張らせる動きで舞台に上がり、再び繰り返すと客にウケまくっていたという。

主な出演

映画
無法松の一生
座頭市二段斬り
喜劇トルコ風呂 王将戦
* まむしの兄弟 二人合せて30犯

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