平和公園 (名古屋市)

平和公園

平和公園は、愛知県名古屋市千種区（一部名東区）に位置する、広大な都市公園です。戦後の復興事業の一環として、市内に点在していた墓地を集約する形で整備されました。現在では、約2,300本の桜が咲き誇る桜の名所として知られるほか、メタセコイヤ広場では様々なイベントが開催され、多くの市民に親しまれています。

歴史

平和公園の建設は、戦災復興都市計画の重要な柱の一つでした。市内の寺院に散在していた墓地を公園予定地へ移転することで、道路用地や公園用地を確保することが目的とされました。この計画に基づき、1947年から1957年にかけて、中区・東区・熱田区を中心に278の寺院、約18万7千基もの墓が移転されました。

尾張藩主の墓所である建中寺や、赤穂浪士・片岡源五右衛門の墓など、由緒ある墓も移転の対象となりました。公園の設置に伴い、この地域には「千種区平和公園」という地名が付けられています。

かつて名古屋オリンピックの招致が計画されていた際には、平和公園内にスタジアムが建設される予定でしたが、招致は実現しませんでした。

現在の平和公園

公園の北部は墓地エリア、南部は公園エリアとして整備されています。南部には自然林が残る鹿子殿があり、野鳥観察や猫ヶ洞池での釣りなどを楽しむことができます。また、平和堂などの慰霊施設のほか、名古屋市動物愛護センターや東山動植物園のコアラの餌となるユーカリを栽培する施設も併設されています。

公園北端には、平和公園配水場と平和公園アクアタワーが設置されており、東部丘陵地域への給水と災害時の応急給水に対応しています。アクアタワーは展望台としても利用されています。

墓碑のある歴史上の有名人

平和公園には、市内250以上の寺院の墓地が集められており、様々な人物の墓碑を見ることができます。

アクセス

名古屋市営バス: 「平和公園」「平和公園南」「平和公園3丁目」「光ヶ丘」バス停下車
名古屋市営地下鉄:
東山線 池下駅・星ヶ丘駅から
名城線 茶屋ヶ坂駅・自由ヶ丘駅から
名古屋駅から: 基幹バス猪高車庫行き
徒歩: 地下鉄東山線 星ヶ丘駅、または名城線自由ヶ丘駅から約20分

町名としての平和公園

平和公園は、千種区の地名でもあります。平和公園一丁目から三丁目までが存在し、2013年10月1日現在の人口は0人です。

周辺施設

公園内には平和堂、万国英霊塔、慰霊碑などがあります。西には猫ヶ洞池や鹿子公園があり、市民の憩いの場となっています。

参考文献
「角川日本地名大辞典」編纂委員会 編『角川日本地名大辞典 23 愛知県』角川書店、1989年。ISBN 4-04-001230-5。
『なごやの町名』名古屋市計画局、1992年。

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