平壌神社

平壌神社は、かつて朝鮮半島北部の平安南道平壌府（現在の朝鮮民主主義人民共和国平壌直轄市）に存在した神社です。旧社格は国幣小社であり、天照大神と国魂大神を祭神としていました。

歴史

平壌神社の歴史は、1913年1月1日に鎮座祭が執り行われたことから始まります。その後、1916年5月4日に正式な神社として認められました。1936年9月には新しい社殿が完成し、翌1937年5月15日には、慶尚北道大邱府の大邱神社とともに国幣小社に列格されるという、大きな転換期を迎えました。

しかし、その後の第二次世界大戦の終戦が、平壌神社の運命を大きく変えることになります。1945年8月15日、日本の降伏が国民に伝えられた玉音放送の夜、平壌神社は放火により焼失してしまいました。戦後の混乱の中、神社が再建されることはなく、そのまま廃座となりました。平壌神社は、短い期間ではありましたが、人々の信仰を集める場所として、その歴史に名を刻みました。

神社の鎮座地は、平壌の景勝地として知られる牡丹峰（モランボン）の南端に位置していました。牡丹峰は小高い丘であり、平壌市内を一望できる美しい場所でした。平壌神社は、この美しい自然の中に建てられ、多くの人々が訪れていました。しかし、焼失によってその姿を失い、現在ではその面影を偲ぶことはできません。

1946年、平壌神社の跡地には、新たに牡丹峰劇場が建設されました。劇場は、平壌市民の文化活動の中心となり、現在も多くの人々に利用されています。かつて神社があった場所は、姿を変えながらも、その土地の歴史を語り続けています。

平壌神社は、その短い歴史の中で、創建、社格の昇格、そして焼失という、激動の時代を象徴するような変遷をたどりました。平壌の歴史を語る上で、忘れることのできない重要な存在です。神社が焼失したことは、この地における歴史の変遷を物語る出来事として、記憶されるべきでしょう。

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