平安堂

株式会社平安堂について

株式会社平安堂は、長野県を地盤とする書店チェーンです。かつては県内外に65店舗を構えていましたが、経営再編を経て、現在は長野県内でのみ店舗運営を行っています。創業は1927年、平野正祐氏が長野県下伊那郡飯田町で創業しました。

地域貢献への意識

平安堂は、創業の地である長野県において、地域貢献への意識を強く持っています。長野市では、「地域の文化拠点」となるべく大型店舗を構え、郊外では自動車での来店を考慮したロードサイド店舗を早くから展開してきました。特に、飯田下伊那地域では、地域最大級の複合店舗「新飯田店」をオープンさせ、周辺の大手書店が撤退する中、ほぼ全ての書店が平安堂グループという状況を作り出しています。また、同地域では教科書販売も手掛けるなど、地域に根ざした活動を続けています。

ブランドロゴ

平安堂のロゴマークは、赤い背表紙の本と、読書をしている両手をモチーフにしたデザインです。このロゴは1976年に原田泰治氏によってデザインされ、現在まで変わらず使用されています。ロゴの隣には漢字で「平安堂」と表記され、ロゴの下にはローマ字で「HEIANDO」と入ることもあります。この際、「A」の「-」部分が下向きの赤い三角形となるのが特徴です。また、季節によって色が変えられるブックカバーでは、ロゴの下のローマ字が「HEIANDO GROUP」と表示されます。

近年の動向

近年、オンライン書店の台頭などにより業績が低迷した平安堂は、2012年に鉄鋼原料商社の高沢産業に買収され、子会社化されました。その後、事業再編を行い、ビデオ（DVD）販売部門やレンタル部門を「ビデオ1」や「GEO」といったフランチャイズに切り替えることで業績回復を図っています。

2013年には、高沢産業主導の事業再編によって業績が回復の兆しを見せ、13年ぶりに伊那市に新規店舗をオープンさせました。この店舗は、「信州で一番美しい店舗を目指す」とされています。また、2014年には、トーハンが運営する全国書店ネットワーク「e-hon」に加盟し、e-honで注文した書籍の店頭受け渡しサービスを開始しました。さらに、e-honと連動したポイントアップキャンペーンや、店舗でのイベント開催など、様々な施策を通して集客力の回復に努めています。

沿革

1927年 - 創業。
1968年 - 株式会社化。
1976年 - 長野市への出店に際し、原田泰治によるロゴマークを制定。
1984年 - 書店業界で初めてPOSシステムを導入。
1985年 - 関連会社として株式会社ジャパンブックボックス設立。
1989年 - 関連会社として株式会社沖縄ブックボックス設立。
1992年 - ジャパンブックボックスと合併。
1994年 - 登記上の本店を長野市に変更。
1995年 - 個人提携店舗「松川店」がグループを離脱し独立。
1997年 - JR長野駅前都市開発事業に伴い、長野店を「新長野店」として「ウエストプラザ長野」ビル内に移転。
1998年 - 関連会社として株式会社オーフィールド設立。
1999年 - 関連会社として株式会社平安堂ホールセール設立。
2000年 - 「ブックボックス かなえ上山店」を閉店し、「新飯田店」（のち「飯田店」へ改称）をオープン。
2003年 - 「伊那店」を閉店。
2006年 - 古書事業に進出、「諏訪店」で古書併売を開始、翌月、「長野店」に古書センター開設。
2007年 - 「飯田駅前店」を閉店。「飯田店」に古書センター開設。
2008年 - 「駒ヶ根店」が火災の延焼により閉店。
2011年 - 県外店舗「寒河江店」を閉店。
2012年 - 高沢産業に買収される。フランチャイズ提携企業倒産により「あづみ野雑貨館」・「あづみ野文具館」を閉店。
2013年 - 県下最大規模の売り場面積を持つ「伊那店」をオープン。
2014年 - 最後の県外店舗「MUSIC下町店」の直営から撤退。全国書店ネットワーク「e-hon」に加盟。
2015年 - 売上低迷により「軽井沢店」「茅野店」を閉店。
2016年 - 長野店を「ウエストプラザ長野」ビル内から東急シェルシェ2・3Fに移転。

運営店舗

（詳細な店舗リストは省略）

過去の店舗

（詳細な店舗リストは省略）

関連会社

親会社：高沢産業
* 子会社：飯田教科書販売株式会社



平安堂は、長野県の地域文化を支える重要な書店チェーンとして、今後も新たな挑戦を続けていくでしょう。

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