平尾山古墳群

平尾山古墳群について

平尾山古墳群、または平尾山千塚古墳群は、大阪府柏原市の高井田および安堂周辺に広がる古墳群の一つです。この地域には、なんと1407基もの古墳が存在することが確認されており、特に生駒山地の南端に位置する丘陵地帯に分布しています。群集墳としての特徴を持つこの古墳群は、東西に約3km、南北においては約2kmに及ぶ広がりを見せています。

この古墳群は、安堂、高井田、平尾山、雁多尾畑、本堂、太平寺、平野大県、青谷の8つの支群から構成されていますが、これらをまとめて単一の古墳群として扱うことには異論があることも事実です。特に、平尾山支群と雁多尾畑支群には古墳の集中度が高いことから、これらを中心に名付けられることが多いのです。

古墳の特徴

平尾山古墳群を構成する古墳の大部分は、直径約10メートルほどの円墳が占めています。これらの古墳は、内部構造も調査によって明らかになっており、多くは横穴式石室で構成されています。また、比較的小型の石室も多く見られ、切石積みや石棺式の構造を持つものも少数ながら確認されています。

形成時期

平尾山古墳群の形成は6世紀の前半から始まり、7世紀の後半までに続いたと考えられています。特に盛期は6世紀の後半から7世紀の前半にかけてで、平尾山支群や雁多尾畑支群では7世紀の前半にも古墳が多く築かれていることが特徴の一つです。この古墳群は高安古墳群や一須賀古墳群と並び、河内地方を代表する大規模な群集墳として位置付けられています。

造営集団の考察

考古学者の白石太一郎によると、平尾山古墳群は同様に河内地域にある高安古墳群などと同じく、渡来系民族が築いたものとされる可能性が高いです。特に古墳に見られる炊飯具のミニチュア副葬品は、河内に定住した渡来系集団の文化を反映していると考えられています。しかし、平尾山古墳群と高安古墳群の造営時期には大きな違いがあり、平尾山古墳群は6世紀前半から始まり7世紀前半にピークを迎えましたが、高安古墳群は6世紀の初めにはすでに造営を終えています。

背景としては、平尾山古墳群が蘇我氏の勢力に関連していた可能性が考えられ、高安古墳群が物部氏の支配下にあった渡来系集団によって築かれたこととの違いが影響しているのかもしれません。

まとめ

平尾山古墳群は、古代における渡来系集団の文化や社会の一端を知る上で非常に重要な遺跡です。多くの古墳が存在し、その内部構造や副葬品の特徴から、当時の人々の生活や信仰、社会構造を垣間見ることができます。古墳群は時代を越え、私たちに多くの歴史的な知識を提供しています。

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