平岩馨邦

平岩馨邦（ひらいわ よしくに）

平岩馨邦は、日本の動物学者・哺乳類学者として知られ、九州大学教授や福岡女学院大学短期大学部初代学長を歴任しました。彼の研究は、動物学、特に甲殻類や哺乳類に焦点を当てており、教育者としても多大な貢献をしました。

生涯

1897年、平岩馨邦は広島県に生まれました。父は日本メソヂスト教会の監督を務めた平岩愃保であり、祖父は幕臣の平岩馨明という家系に育ちました。1923年に東京帝国大学理学部動物学科を卒業後、シカゴ大学で実験発生学の研究に取り組みました。

帰国後、九州大学付属天草臨海実験所での勤務を経て、広島文理科大学で教鞭を執りました。戦時中には、石井四郎の依頼により、細菌兵器に使用するシロネズミの量産研究に関与しましたが、原爆投下により研究は中断されました。戦後、1947年に九州大学農学部教授に就任し、1964年には福岡女学院短期大学の初代学長に就任しました。1967年、学長在任中に69歳で逝去しました。

研究業績

平岩馨邦は、特に瀬戸内海のウオノエ科甲殻類の研究に力を注ぎました。また、彼が指導した学生の研究テーマは、節足動物から哺乳類まで幅広い分野に及びました。1937年には、東京帝国大学より理学博士の学位を取得しています。学位論文は「アカエビヤドリムシ(エピペネオン・ジャポニカ・ティールマン)に関する研究」です。

人物

平岩馨邦は、研究者としてだけでなく、教育者としても多くの学生を指導しました。広島文理科大学時代には、数学者の岡潔と同僚であり、広島昆虫同好会の会長も務めていました。また、戦時中の細菌兵器研究への関与は、彼の経歴において複雑な側面となっています。

参考文献

• - 九州大学さようなら六本松誌編集委員会『青春群像　さようなら六本松 : 一九二一福高――九大二〇〇九』花書院、2009年。

関連項目

• - 谷津直秀
• - 江崎悌三
• - 内田亨
• - 岡潔

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