平川一臣

平川 一臣について

平川 一臣（ひらかわ かずおみ、1947年生まれ）は、日本を代表する地理学者であり、特に第四紀や周氷河地形についての研究で高く評価されています。彼は東京都立大学で理学博士の学位を取得後、長年にわたり研究と教育に尽力し、北海道大学名誉[[教授]]としても知られています。

略歴

平川は愛知県に生まれ、早稲田大学教育学部で地理歴史を専攻しました。その後、旧・東京都立大学大学院で地理学を学び、1977年に「十勝平野とその周辺地域における第四紀後期の編年と地形発達史」という学位論文により理学博士の学位を授与されました。
大学教員としては、山梨大学教育学部と旧・東京都立大学理学部で助教授を務めた後、1993年には北海道大学大学院環境科学研究院の教授に就任。2011年には名誉[[教授]]となり、2012年に退職しました。

研究業績

平川の代表的な研究テーマは日高山脈での氷河地形に関するもので、氷河の消長および下流平野の形成史についての詳細な考察がなされています。特に、最終氷期における亜氷期の存在を提唱し、これが日本の地形発達史や第四紀研究に大きな影響を与えました。

また、北極圏や日本の高山など寒冷地域における様々な地形発達の研究に取り組んでおり、段丘地形や活断層、津波堆積物に関する研究でも重要な成果を挙げています。ドイツ留学の経験を持つ彼は、ドイツ語の地理学専門書の翻訳も手掛けており、国際的な視野を持った学者です。

津波堆積物の研究

平川は2000年頃から津波堆積物の研究にも力を入れるようになりました。2007年、彼は産業技術総合研究所の研究員との共同研究を実施し、過去5000年にわたる調査によって、東海地震よりも遥かに大きな地殻変動を引き起こす超東海地震が複数回発生したことを明らかにしました。この研究は地震に関する新たな知見をもたらし、広く報道されました。

また、2011年の東北地方太平洋沖地震の津波によって、津波堆積物研究への関心が急速に高まり、平川の研究はより一層社会的な注目を浴びることになりました。

受賞歴

彼の研究業績は高く評価されており、2003年には日本第四紀学会から学術論文賞を受賞しています。

著書

平川は多くの著書を一般出版しています。共著としては『第四紀逆断層アトラス』や『日本の地形』シリーズなどがあります。また、著名な地理学者の著作を翻訳するなど、その活動は幅広い範囲にわたります。特にユリウス・ビューデルの『気候地形学』やアルフレート・ヘットナーの『地理学』などが知られています。

関連項目

• - 超東海地震

詳しい業績や研究に関する情報は、彼の個人ウェブサイトでも紹介されています。平川一臣の業績は、日本の地理学において重要な位置を占めています。

もう一度検索