千葉常重

千葉常重（ちば つねしげ）

千葉常重は、平安時代後期の武将であり、千葉氏の第二代当主として知られています。父は千葉介・平常兼、嫡男は千葉常胤です。下総権介という役職にも就いていました。恒重、経重という別名も存在します。

生涯

1124年（天治元年）、叔父である相馬常晴から下総国相馬郡の郡司職を譲り受けました。その2年後、1126年（大治元年）に父・常兼が亡くなったため、父から下総国千葉郡を継承し、両郡を支配下に置きました。

常重は、鳥羽法皇に対し、千葉郡の中心地域を荘園として寄進しました。この荘園は「千葉荘」と呼ばれ、後に八条院領に編入されました。常重は、その荘官として千葉荘の管理運営にあたりました。

1126年（大治元年）6月1日には、上総国大椎から千葉へ本拠を移したとされています。これは『千学集抜粋』に記されています。千葉荘を支配するために千葉城を築城し、ここを拠点としました。この千葉城の築城が、後の千葉氏の繁栄の基礎となったと言えるでしょう。千葉市では、この日を「千葉開府の日」と定めています。

さらに、1130年（大治5年）6月11日には、相馬郡にあった相馬御厨を伊勢神宮に寄進しています。

1135年（保延元年）、18歳になった嫡男・常胤に家督を譲りました。しかし、翌年の1136年（保延2年）7月15日、下総守藤原親通が「公田官物未進」を理由に常重を捕縛しました。親通は、目代紀季経に命じて、相馬御厨の譲渡証文を無理やり作成させ、獄中の常重に署名を強要しました。

この事件に対し、源義朝が常晴から常重への相馬御厨譲渡の無効を主張し介入しました。これにより、藤原親通と源義朝、そして相馬御厨を強引に奪われた常重・常胤親子の三つ巴の争いに発展しました。この争いは、当時の社会情勢や武士の台頭を反映する出来事として注目されます。

千葉常重の人物像

千葉常重は、下総国において勢力を拡大し、千葉氏の基礎を築いた重要な人物です。荘園の寄進や城の築城など、領地の経営に力を注ぎました。また、権力者との対立や御厨を巡る争いに巻き込まれるなど、波乱に満ちた生涯を送りました。これらの出来事は、当時の武士の台頭や社会の動乱を物語るものと言えるでしょう。

参考文献

千野原靖方『千葉氏 鎌倉・南北朝編』崙書房出版、1995年。ISBN 4845510154。

外部リンク

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