平成18年台風第15号

平成18年台風第15号（Xangsane）

平成18年台風第15号、アジア名「Xangsane」は、2006年9月に発生し、特にフィリピンに甚大な被害をもたらした台風です。台風は9月26日9時にフィリピンのサマール島の東で発生し、ラオスによって命名され、ゾウを意味しました。同時にフィリピンでは「ミレニオ」という名称でも呼ばれ、特に首都マニラを直撃し、多くの被害を引き起こしました。

台風の経過

台風は2006年9月27日の夕方、ルソン島に上陸しました。上陸後、マニラを襲い、各地で土砂崩れや洪水が発生しました。台風はその後南シナ海へ進み、最終的にはベトナム中部に再上陸し、その後に消滅しました。

被害状況

この台風による影響は広範囲に及びました。特に首都圏では、大規模な停電が発生し、マニラの92%のエリアが影響を受けたとされています。停電により、4,300万人以上の人々が影響を受け、多くの家庭や企業が困難な状況に陥りました。また、マニラ市長は市内を災害地域として指定し、緊急対応を行いました。

カヴィテ州トリアスでは、ダムの堤防が決壊し、30人以上の人が行方不明となり、ラグナ州の工業団地では天井が崩落し、29人が負傷するなど、さまざまな事件が報告されています。台風の影響で、ルソン島の各地の学校は臨時に休校となり、公共機関も一時閉鎖されました。その結果、交通機関や商業活動にも深刻な影響が及び、ニノイ・アキノ国際空港も一時閉鎖を余儀なくされました。

また、南ルソン高速道路を含む主要な幹線道路では倒木が発生し、通行止めとなる場所が多く見受けられました。このような影響により、フィリピン国内の株式市場や為替市場でも取引が中止される事態となり、経済的な影響も大きかったことが知られています。フィリピン大統領グロリア・アロヨは、滞在先のパンパンガ州で4時間の足止めを強いられました。

台風名について

「シャンセン」というアジア名は、この台風に使われた後、通例に従い以降の台風には使用されず、次の台風からは「リーピ（Leepi）」が新たに命名されることになりました。これは、特定の台風が強い影響をもたらした場合、同じ名前を使わないという方針に基づいています。

台風第15号は、フィリピン及び周辺地域において深刻な影響を与え、その記憶は今も語り継がれています。台風による被害に対する備えや対応策の重要性が改めて認識され、大規模な自然災害に対する考え方や対応が進む契機ともなりました。

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