平成24年台風第23号

平成24年台風第23号（ソンティン）

平成24年（2012年）に発生した台風第23号は、アジア名「ソンティン（Son-Tinh）」として知られており、フィリピンを中心に多大な被害をもたらしました。この台風は、カロリン諸島の東南海上で10月19日にその形成が始まり、10月24日午前3時にミンダナオ島の東で熱帯低気圧から台風に発展しました。台風の名称はベトナムの神話に登場する山の神に由来しており、命名はベトナムによって行われました。そしてフィリピンの大気地球物理天文局（PAGASA）によって、「オフェル（Ofel）」という名前が付けられました。

台風の発達と進行

台風第23号は、初めは中心気圧998hPa、最大風速18m/s、最大瞬間風速25m/sでしたが、25日までにフィリピン南部を襲い、北西方向に進行しました。フィリピンを縦断し南シナ海に入った後、26日から27日にかけて急速に強化を遂げ、27日にはトンキン湾の南に位置しました。28日から29日にかけて進路を北へ変え、ベトナムのハイフォン付近で上陸。その後、29日午後3時に華南地域で熱帯低気圧へと変わりました。

被害状況

台風がもたらした影響は甚大で、フィリピン南コタバト州のジェネラル・サントスでは120の住宅が避難を余儀なくされ、北ダバオ州のタグムでは停電が発生しました。特にコンポステラ・バレー州では、強風によって多くの住居が倒壊し、沿岸地域でも高波による損失が見られました。このため、フィリピン沿岸警備隊は船舶の航行を禁止し、ミンダナオ島において約600人が孤立しました。

さらに、カヴィテ州からコタバト州にかけて洪水が発生し、大雨と強風、高波により数千人の旅行者が足止めされる事態に陥りました。ビコル地方では、洪水の影響で線路が浸水し、複数の列車が脱線する事故も発生しました。この結果、数名が負傷しました。フィリピン政府は、27日時点で6名の死者と9名の行方不明者を確認していましたが、28日には死者数が24名に増加しました。これらの死因の多くは洪水による溺死、倒木や飛散物との衝突、地すべりによる埋没、感電などでした。

最終的に、この台風の影響を受けた世帯は14,693世帯、66,768人に上り、なかでも3,382世帯15,243名が指定された97の避難所に避難を余儀なくされました。

結論

平成24年台風第23号は、フィリピンにおいて深刻な被害を引き起こした自然災害であり、多くの人々の生活に影響を与えました。早期の避難と対応が求められる中、今後の防災対策として、住民の安全を確保するための施策が重要です。

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