ハイフォン

ハイフォン市

ハイフォン市（海防市）は、ベトナムにおける第4の都市であり、北部地域で最大の港町です。この都市は、ハノイ市、ホーチミン市、ダナン市と並ぶ中央直轄市の一つで、全体の面積は1503平方キロメートルに及び、その中で市区部分は1.7%を占めています。現在、約202.8万人の人口を有し、その中で市区人口は約50万人です。行政区域は市区が7区、郊外が8県（うち2つは島嶼）で構成されています。

地理と気候

ハイフォン市は紅河（ソンコイ川）の河口に位置し、首都ハノイから約100キロメートルの距離にあります。気候は温帯冬季少雨気候に分類され、冬から春は曇りがちで肌寒い日が多いのに対し、夏は高温多湿で降水量が多く、日照時間が長い特徴があります。

行政区画

ハイフォン市は、以下の行政単位に分かれています：

• - 区（Quận / 郡）

- ズオンキン区（Dương Kinh / 陽京）
- ドーソン区（Đồ Sơn / 塗山）
- ハイアン区（Hải An / 海安）
- ホンバン区（Hồng Bàng / 鴻龐）
- キエンアン区（Kiến An / 建安）
- レチャン区（Lê Chân / 黎真）
- ゴクエン区（Ngô Quyền / 吳權）

• - 県（Huyện / 縣）

- アンズオン県（An Dương / 安陽）
- アンラオ県（An Lão / 安老）
- キエントゥイ県（Kiến Thụy / 建瑞）
- ティエンラン県（Tiên Lãng / 先朗）
- ヴィンバオ県（Vĩnh Bảo / 永保）
- トゥイグエン県（Thủy Nguyên / 水源）
- バクロンヴィー県（Bạch Long Vĩ / 白龍尾）
- カットハイ県（Cát Hải / 葛海）

歴史的背景

古くは小漁村だったハイフォンは、10世紀ごろから海上交通が活発になり、15世紀には外国船が通行するようになりました。1870年には阮朝が波止場を建設し、外国との交易が始まりましたが、1881年には台風によって大きな被害を受けました。1888年にはフランスの植民地政府により市に昇格し、フランス海軍の基地として発展しました。戦後には再建され、1993年にはベトナム初の輸出加工区として認可され、経済の発展が促進されました。

経済の重要性

ハイフォンはベトナム北部の重要な経済中核として知られています。工業地帯としての位置づけが強く、2007年のデータでは紅河デルタにおけるGDPの11.8%を占めており、工業部門では2位に位置しています。また、米の生産地としても重要で、漁業でも北部で4番目の規模を誇ります。サービス業の割合も高く、地域貿易の中心的存在となっています。近年、様々な企業や工業団地が設立され、さらなる経済成長が期待されています。

交通網

ハイフォンでは交通の便も整備されており、鉄道や空路を利用することができます。ハイフォン駅からはハノイやラオカイへの鉄道路線が運行されており、カットビ国際空港からは国内外への定期便がひときわ便利です。

まとめ

ハイフォン市は、その地理的特性、豊かな歴史、急成長を遂げる経済により、ベトナム北部の重要な都市であり、将来にわたりさらなる発展が期待される地点です。

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