平成27年台風第4号

平成27年台風第4号（メイサーク）

2015年（平成27年）3月28日に発生した台風4号は、アジア名メイサーク（Maysak）、フィリピン名チェデン（Chedeng）と命名されました。この台風は、3月としては観測史上最強の勢力にまで成長したことが特筆されます。また、3月中に4つの台風が発生するのは1965年以来50年ぶりの出来事でした。

発生と発達

3月23日にマーシャル諸島近海で熱帯撹乱が形成され、合同台風警報センター（JTWC）は27日に熱帯低気圧番号04Wを付与しました。04Wは28日3時（協定世界時27日18時）に、マーシャル諸島の北緯7度50分、東経156度10分で台風となり、メイサークと命名されました。3月に台風4号が発生したのは1965年以来50年ぶり、3月に2つの台風が発生したのは1991年以来24年ぶりのことでした。

勢力の拡大と進路

太平洋上を西進した台風は、次第に勢力を増し、29日にはミクロネシア連邦のチューク諸島に襲来しました。同日にはカテゴリー5の勢力に達し、その後も西に進みながら成長を続けました。31日にはカロリン諸島・ヤップ島近海のファラウレップ環礁やソロール環礁付近を通過。同日の日本時間18時には猛烈な台風となり、15時には中心気圧910ヘクトパスカル、中心付近の最大風速55メートルに達しましたが、その後は次第に勢力を弱めました。

フィリピンへの影響

西進した台風は1日にフィリピンの監視エリアに達したため、フィリピン大気地球物理天文局（PAGASA）はフィリピン名チェデンと命名しました。台風の接近に伴い、フィリピンでは3日にルソン島のカタンドゥアネス州と南カマリネス州にシグナル1の暴風雨警報が最初に発令され、4日夕方にはイサベラ州、アウロラ州にシグナル3、ルソン島の広範囲にシグナル2とシグナル1の警報が発令されました。台風は現地時間5日午前8時頃、イサベラ州東岸に上陸しましたが、同日15時（協定世界時5日6時）に北緯18度、東経120度で熱帯低気圧となりました。

各地への影響

ミクロネシア

チューク諸島では強風に加えて24時間で218ミリの豪雨が発生し、洪水による被害も発生しました。4月2日までの集計で9名の死亡が確認され、最低でも6隻の船が沈没しました。また、多くの島で強風による住宅の倒壊や倒木が発生しました。ウルシー環礁では毎時130マイル（約58メートル/秒）の強風による高潮で塩害が発生したほか、欧州連合から寄贈されたソーラーパネルが損傷、一部の飲料水タンクの破損も見られました。ファイス島でも風速が毎時100マイル（約45メートル/秒）に達しました。

フィリピン

各政府機関が台風への対応を準備しましたが、上陸までに台風の勢力が衰えていたため大きな被害はなく、被災者はイサベラ州とアウロラ州での708家族・2,761人にとどまりました。

まとめ

平成27年台風第4号（メイサーク）は、3月としては観測史上最強の勢力を誇り、各地に大きな影響を与えた台風でした。ミクロネシアでは甚大な被害が発生し、フィリピンでも警戒態勢が敷かれました。しかし、上陸までに勢力が衰えたため、フィリピンでの被害は比較的軽微に収まりました。

もう一度検索