平戸のジャンガラ

平戸のジャンガラ

「平戸のジャンガラ」は、長崎県平戸市に古くから伝わる念仏踊りです。毎年8月14日から18日にかけて、市内9地区（平戸、中野、宝亀、紐差、根獅子、津吉、中津良、大志々伎、野子）で奉納されます。この踊りは、豊作と雨乞いを祈願するとともに、先祖の霊を供養する盆踊りとしての意味合いも持っています。

ジャンガラの由来と特徴

「ジャンガラ」という名称は、囃子で使われる鉦の音（ジャン）と太鼓の音（グワラ）に由来すると言われています。踊り手は浴衣姿に菅笠をかぶり、腰には小さな太鼓を付けて踊ります。踊りながら「ホーナゴ、ホーミデーテ（穂長う、穂も実も出て）」という独特の囃子言葉を唱えるのが特徴的です。この囃子言葉は、豊作への願いが込められていると考えられます。

歴史と伝承

平戸のジャンガラの起源は、島の南部にある志々伎神社で豊年祈願として行われていた踊りにあるとされています。それが島全体に広がり、現在の形になったと考えられています。江戸時代後期の随筆『甲子夜話』にも、ジャンガラに関する記述が見られます。

文化財指定

平戸のジャンガラは、その歴史的、文化的価値から、国の重要無形民俗文化財に指定されています。地域の人々によって大切に受け継がれてきたこの伝統行事は、平戸の夏の風物詩として、今もなお多くの人々に親しまれています。

他地域の同名踊り

なお、福島県いわき市にも「じゃんがら念仏踊り」という同名の踊りが伝わっています。これは、平戸のジャンガラとは異なる起源を持つ別の踊りです。

参考文献

吉成勇編『日本「祭礼行事」総覧』新人物往来社、1999年。

外部リンク

平戸のジャンガラ - 国指定文化財等データベース（文化庁）

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