志々伎神社

志々伎神社の概要

志々伎神社（しじきじんじゃ）は、長崎県平戸市野子町に位置する神社で、古くは志志伎神社や志自伎神社とも表記されました。この神社は、格式の高い式内小社であり、旧社格は県社です。九州各地には、志々岐、志式、志自岐といった名前で分社が存在します。

特に、県内の式内社の中でも最大規模を誇り、その歴史の長さが伺えます。また、古くから伝わる神相撲は、今日の相撲の原形になったとも言われており、平戸全島で行われるジャンガラもこの神社から広まったとされています。これらの事からも、地域文化に大きな影響を与えてきたことがわかります。

歴史

創建年代は5世紀頃とも言われていますが、正確な年代は不明です。神域は平戸島の南端近くに位置する志々伎山（標高347.2メートル）を中心に広がっており、古くは山の頂上に上宮、中腹に中宮、麓の漁村宮の浦に地の宮（下宮、邊都宮）、そして宮の浦沖の沖ノ島には沖の宮がそれぞれ置かれていました。また、別当寺として円満寺が設けられていました。

祭神は、日本武尊の子で仲哀天皇の異母弟とされる十城別王（十城別命）です。伝説によると、彼は神功皇后の三韓征伐に従軍した後、この地に留まり西国警護を命じられたとされています。地の宮は、王が設けた武器庫を転用したものと伝えられており、沖の宮は王の墓所であるとされています。

『延喜式』神名帳には、肥前国内の4つの式内社の一つとしてその名が記されており、壱岐・対馬地域を除く長崎県内では唯一の存在です。これは、この神社が古くから重要な存在であったことを示しています。また、松浦党諸家や周辺地域の漁民から広く崇敬を集めていました。

現在の状況

現在の祭祀の中心は中宮となっています。当初、中宮は志々伎山山頂下の祠にありましたが、永禄2年（1559年）に中腹に移され、さらに1961年（昭和36年）には、明治初年の神仏分離令によって廃止された円満寺の跡地である現在地に移されました。

旧社殿地は、1974年（昭和49年）に「旧式内社志々伎神社跡」として長崎県史跡に指定されており、その歴史的価値が認められています。

文化

志々伎神社は、地域文化に深く根ざした神社であり、神相撲やジャンガラといった伝統行事が今もなお受け継がれています。これらの行事は、単なる娯楽としてだけでなく、地域の歴史や文化を伝える重要な役割を果たしています。

志々伎神社は、その歴史と文化的な価値から、地域の人々にとって大切な存在であり続けています。

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