平木隆三

平木隆三（ひらき りゅうぞう）

平木隆三は、日本を代表するサッカー選手であり、監督・コーチとしても長いキャリアを持つ人物です。1931年10月7日、大阪府堺市浜寺で生まれ、2009年1月2日に愛知県豊田市の病院で亡くなるまで、サッカー界に大きな足跡を残しました。彼の現役時代は、主にディフェンダーとして活躍し、日本代表としても多くの試合に出場しました。また、1993年にはJリーグ開幕当初の名古屋グランパスエイトの監督を務めました。

来歴

現役時代

平木は5人兄弟の三男として育ち、家業の鉄工所での生活からサッカーへの道を歩み始めました。1948年に岸和田高校に入学し、サッカー部に参加。その後、1950年の全国高等学校サッカー選手権大会ではインサイドFWとして活躍し、ベスト4進出に貢献しました。高校卒業後は関西学院大学に進学し、1951年には早稲田大学との定期戦においてレギュラーDFとして活躍します。

大学在学中の1953年、西ドイツのドルトムントで開催されたユニバーシアードに出場し、以降は1954年の日本代表デビューを果たしました。彼は、韓国戦でのワールドカップ予選や、何度かのアジア大会にも参加するなど、日本のサッカー界で重要な役割を果たしました。1956年のメルボルンオリンピックにも出場し、経験を重ねていきます。

384試合でのキャリアを通じて、平木は国際Aマッチに30試合出場し、1ゴールを記録するなど、代表選手としての地位を確立しました。

指導者としてのキャリア

平木は現役引退後、指導者として日本ユース代表の監督を務め、1967年から1969年の間、アジアユース選手権での指揮を行いました。彼は戦術に関し的確な分析と指導力を持ち、選手たちに影響を与える存在でした。1974年には日本B代表監督としてマラハリムカップでの優勝に貢献するなど、その実績は高く評価されています。

また、JFA（日本サッカー協会）の理事としても活動し、全日本サッカー選手権大会の制度改正や、サッカー選手の年齢別チーム登録の推進など、日本サッカーのシステムづくりにも寄与しました。

名古屋グランパスエイト監督

1992年から1993年にかけて、名古屋グランパスエイトの監督を務めた際には、選手たちの成長を促し、Jリーグの発展に寄与しました。彼のもとで育った選手たちは、後の日本サッカー界でも重要な役割を果たすようになりました。平木の監督としてのキャリアは、熟慮された戦術と選手育成の方針に支えられていました。

晩年と遺産

平木は晩年には若手育成に力を入れ、愛知県の東海スポーツサッカークラブの顧問として活動していました。2005年には日本サッカー殿堂に選出される栄誉に浴し、2009年に肺炎で逝去するまで、その影響を多くの人々に与え続けました。

平木隆三は、サッカー選手としての他、指導者や組織運営者としても日本サッカー界に多大な影響を与えた人物として、今も多くの人々に愛されている存在です。

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