平田寛 (美術史)

平田 寛（ひらた ゆたか）

平田寛（ひらた ゆたか）は、1931年に佐賀県で生まれた美術史学者です。2013年に82歳で他界するまで、日本の美術史研究に大きな影響を与え、九州大学で教鞭を執りました。彼は特に「絵仏師の時代」という著書を通じて、日本の仏教美術に関する重要な研究を行い、国内外で高く評価されました。

学歴とキャリア

平田は九州大学文学部を卒業し、その後助手として勤務します。さらに、奈良国立文化財研究所での研究を経て、1971年に九州大学文学部の助教授に昇進しました。1978年には教授に就任し、1995年には定年退官を迎え、名誉教授となります。その後は、長崎純心大学で教授として教え続け、学問の普及に努めました。

主な業績

平田寛は、多くの賞を受賞しています。1994年には「絵仏師の時代」で國華賞を、1995年には島田賞を受賞しました。また、1996年には九州大学から文学博士号を取得し、日本学士院賞も受賞しました。これらの業績は彼の学術的成果を物語っています。特に「絵仏師の時代」は、日本の美術史の重要な側面を体系的に分析し、後の研究者たちにも多大な影響を与えることとなります。

著書

彼の主な著書には以下の作品があります：

• - 『絵仏師の時代』中央公論美術出版（1994年）
• - 『ふうじん帖 美術史の小窓』中央公論美術出版（1996年）
• - 『絵仏師の作品』中央公論美術出版（1997年）
• - 『九州美術史年表 古代・中世篇』九州大学出版会（2001年）
• - 『九州美術史の途』長崎純心大学博物館（2001年）

また、編著として『図説 日本の仏教 第1巻 奈良仏教』も責任編集しています。

最晩年

平田は2004年の講書始では「絵仏師」をテーマに進講しながら、後進の研究者たちに対する影響力を維持しました。しかし、彼の晩年は膀胱癌との闘病生活を送られ、2013年9月に自宅で息を引き取りました。彼の死は、特に日本の美術史研究における大きな損失となりました。

平田寛の研究は、今後も日本の美術史を学ぶ上で欠かせない基礎となり、多くの研究者に支持され続けることでしょう。

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