平石弁蔵

平石弁蔵

平石弁蔵（ひらいし べんぞう、1873年 - 1942年）は、大日本帝国陸軍の軍人であり、最終階級は陸軍歩兵少佐。郷土史家としての一面も持ち、特に『会津戊辰戦争』の著者としてその名を知られています。

生涯

平石弁蔵は、旧会津藩士である平石甚五郎の息子として生まれました。再建された会津中学に入学し、1期生として学んでいます。同級生には、後に実業家として活躍する松江春次がいました。しかし、平石は会津中学を中途退学し、1893年に陸軍教導団歩兵科生徒隊に入団。軍人としての道を歩み始めます。

翌年、歩兵第17連隊に二等軍曹として配属され、日清戦争に出征。橋頭集、楊家屯、羊亭集といった激戦地を転戦し、その功績から一等軍曹へと昇進しました。戦役中は台湾にも派遣されています。帰国後は歩兵第32連隊などに勤務し、曹長として陸軍士官学校に勤務。その後、陸軍経理学校の軍吏学生に採用され、さらなる知識と技能を習得しました。

日露戦争にも出征し、少佐まで昇進。軍人としてのキャリアを積み重ねていきました。

軍務の傍ら、平石は郷土会津の歴史研究にも情熱を注ぎました。稚松会若松支部の幹事を務め、会津中学の教員としても教鞭を執る傍ら、戊辰戦争に関する調査研究を精力的に行いました。そして1917年、長年の研究の成果を結実させた『会津戊辰戦争』を出版。この著書は、会津における戊辰戦争の様子を詳細に描き出し、今日に至るまで貴重な資料として高く評価されています。

著書

会津戊辰戦争

参考文献

アジア歴史資料センター「軍吏学生採用の件」(C06083441000)
会津会会報第14号
小島一男『会津人物事典 (武人編)』歴史春秋社.

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