平野功二

平野 功二（ひらの こうじ）

1968年7月25日生まれ。写真家、映画監督、そして彫刻家として、米国ハワイを主要な活動拠点としています。長野県で生を受けた後、東京都、埼玉県で育ち、現在はハワイ州ホノルルに在住しています。

埼玉県立岩槻高等学校卒業後、俳優・宝田明氏が主宰するミュージカル劇団に入団し、表現の世界に足を踏み入れます。1990年に渡米し、アラバマ州のギャズデン・ステート・コミュニティ大学で学びながら、米国本土の48州を巡る壮大な旅を敢行し、その道中で精力的に写真を撮影しました。この経験が、後の写真家としての活動の礎を築いたと言えるでしょう。

1993年にハワイに移住し、ハワイ大学マノア校に進学。観光業経営学部で学位を取得後、さらに同学部芸術学科彫刻専攻を卒業しました。大学での多様な学びを経て、2002年からハワイを拠点にプロフェッショナルなフォトグラファーとして歩み始めます。

2009年にはフランスへ渡り、パリに活動の拠点を移しました。以降、ニューヨーク、ロンドン、ミラノ、パリ、東京といった世界の主要都市で開催されるファッションウィークを巡り、コレクションの瞬間、バックステージの空気感、そしてストリートスナップやポートレートなど、ファッションフォトグラファーとして国際的な舞台で活躍しました。

ファッション分野に留まらず、彼の写真・映像制作は多岐にわたります。広告、雑誌、テレビ番組、プロモーションビデオなどのメディアにおいて、人物、商品、風景、建築、スポーツ、イベントなど、実に幅広い被写体を手がけています。同時に、アーティストとして、芸術写真作品、映像作品、彫刻、空間デザインといった分野での創作活動も継続的に行っています。

特に、和歌山県南部における活動は特筆されます。2012年には、世界遺産である鬪雞神社で450年以上の歴史を持つ田辺祭を記録した写真集『田辺祭 平野功二写真集』を刊行。さらに2015年には、紀南地方を舞台にした長編映画『たまご』（68分）を制作・監督し、この作品は世界9カ国、18の映画祭で高い評価を受け、受賞を果たしました。同年、映画と同名の石彫作品『たまご』（高さ約1.5メートル、重さ約1.3トン）を制作し、翌2016年にJRきのくに線の和深駅に恒久設置されています。

2017年に再び活動拠点をハワイに戻し、2018年には世界遺産・熊野古道の四季折々の姿を捉えた写真集『熊野古道 ひかりの四季 平野功二写真集』を発表するなど、故郷に近い日本の風景への深い関心も示しています。

これまでに、ホノルル、東京、和歌山など各地で個展を開催し、作品を発表しています。また、NHKやテレビ和歌山など、メディアへの出演経験も豊富です。

写真集
『田辺祭 平野功二写真集』（2012年）
『熊野古道 ひかりの四季 平野功二写真集』（2018年）

映画
『たまご』（2015年）

短編ドキュメンタリー映画
『田辺祭 二度目の夏』（2012年）
『舞姫 少女が神になるとき』（2012年）

彫刻
『たまご』（2016年、和歌山県串本町 JRきのくに線 和深駅設置）

多角的な視点と、写真、映像、彫刻といった異なるメディアを横断する表現力により、国内外で注目を集める現代アーティストの一人です。

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