和深駅

和深駅：山と海に抱かれた紀勢本線の駅

和歌山県東牟婁郡串本町和深に位置する和深駅は、西日本旅客鉄道（JR西日本）紀勢本線（きのくに線）の駅です。1940年8月8日、国鉄紀勢西線江住駅～串本駅間の開通に伴い開業しました。その後、1959年7月15日の路線改称を経て、現在の紀勢本線に属する駅となっています。国鉄分割民営化後もJR西日本の駅として、地域住民の足として利用され続けています。

歴史と変遷

和深駅は、長い歴史を持つ駅です。開業以来、幾度かの変化を経てきました。1971年には貨物取扱が廃止、1984年には荷物扱いも廃止され、1985年には無人駅となりました。1987年の国鉄民営化により、JR西日本の駅となりました。近年では、2020年6月1日に駅舎が老朽化のため建て替えられ、新しい駅舎へと生まれ変わりました。そして2021年3月13日には、ICOCAの利用が可能になり、利便性が向上しました。

駅構造と周辺環境

和深駅は、かつては単式ホーム1面1線と島式ホーム1面2線の計2面3線の構造でしたが、現在は事実上、相対式ホーム2面2線となっています。駅舎は改築され、シンプルなコンクリート造りの建物となっています。駅舎内には自動券売機や乗車駅証明書発行機はなく、新宮駅の管理下にあります。トイレは駅舎横に設置されています。また、かつて存在した1番線と2番線をつなぐ跨線橋は老朽化のため撤去され、現在は線路下のトンネルを経由してホーム間を移動する必要があります。

駅周辺は、リアス式海岸の景勝地・熊野枯木灘海岸県立公園に属する枯木灘の近くに位置しています。山と海に囲まれた、和深川河口付近のわずかな平地に漁港の集落があり、駅の周囲は静かな環境です。国道42号からは和深の交差点を海側へ折れると駅へアクセスできます。駅からは、海を見渡すことができます。駅周辺には、串本町役場和深連絡所、串本警察署和深駐在所、和深郵便局などの公共施設があります。また、串本町コミュニティバスの停留所も設置されており、公共交通機関の利便性も確保されています。

利用状況

和深駅の利用状況は、近年減少傾向にあります。これは、人口減少や車社会の進展など、様々な要因が考えられます。しかし、観光客の利用も見込まれ、地域活性化のための取り組みが期待されます。

隣の駅

田子駅
江住駅

和深駅は、周辺の自然環境と歴史的背景を併せ持つ、魅力的な駅です。これからも、地域住民の生活を支えるとともに、観光客にも親しまれる駅として、その役割を果たしていくことでしょう。

もう一度検索