年越し番組

年越し番組：日本の年末年始を彩る番組の歴史と現状

大晦日から元日にかけて放送される年越し番組は、日本における年末年始の風物詩として定着しています。その歴史は古く、1927年から28年にかけて、東京放送局（現NHK）が寛永寺からの除夜の鐘をラジオで中継放送したことに始まります。以来、ラジオ、そしてテレビへと時代と共に進化を遂げながら、人々の年末年始を彩り続けてきました。

日本のテレビにおける年越し番組

NHK

NHK総合では、1953年から54年にかけて『ゆく年くる年』の放送を開始し、現在まで続く伝統番組となっています。一方、NHK Eテレ（旧NHK教育）は長らく年越し番組を編成していませんでしたが、2011年から12年にかけて『0655・2355 年越しをご一緒にスペシャル』を放送するなど、近年は変化も見られます。

民放

民放各局は1956年から89年にかけては、共同制作ないし持ち回り制作で『ゆく年くる年』を放送していました。しかし、1990年以降は各局独自の編成となり、多様な番組が制作されるようになりました。

21世紀に入ると、局によって傾向が分化。日本テレビや東京MXテレビは事前収録の番組が多い一方で、TBS、フジテレビ、テレビ東京などは生放送のカウントダウンライブやクラシックコンサートなどを放送するのが一般的です。テレビ朝日などは、年によって生放送と録画放送を使い分けるなど、バラエティに富んだ編成となっています。

テレビ放送の完全デジタル化に伴い、正確なカウントダウンが困難になったことから、録画放送に切り替える局とカウントダウンを継続する局とに分かれています。

日本テレビ

日本テレビは、独自の年越し番組を放送し続け、近年は『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!!』の特別版『笑ってはいけないシリーズ』、『笑って年越したい!!笑う大晦日シリーズ』などを放送。2024年から25年は『ぐるナイ』の企画を放送予定。ネット局は、福井放送を含む28局が毎年固定されていますが、テレビ大分とテレビ宮崎は曜日編成の関係でネットが変動します。

テレビ朝日

テレビ朝日も様々な特番を放送し、生放送と録画放送を使い分け。『年越し雑学王』や『ザワつく!金曜日』など、バラエティに富んだ番組編成が特徴です。ネット局は、フルネットの24局が毎年固定。

TBS

TBSは、サザンオールスターズや桑田佳祐の年越しライブを生中継するなど、他局とは異なる個性的な番組編成で知られます。近年は『COUNT DOWN TV|COUNT_DOWN_TV』のスペシャルライブを生放送。ネット局は28局が毎年固定。

テレビ東京

テレビ東京は、『東急ジルベスターコンサート』を生中継し、午前0時丁度に曲を終わらせる独特の演出が有名です。ネット局は6局が毎年固定ですが、独立局へのネット拡大も進んでいます。

フジテレビ

フジテレビは、『ジャニーズカウントダウンライブ』の生中継が長年恒例でしたが、近年は『逃走中』の年またぎスペシャルなども放送。ネット局はフルネットの26局が毎年固定ですが、テレビ大分とテレビ宮崎は曜日編成の関係でネットが変動します。

独立局

独立局は、1990年以降は各局独自の編成となり、地元密着型の番組やカウントダウンイベント中継など、多様な番組が制作されています。近年では、複数局による共同制作番組や、テレビ東京からのネット受けなども見られます。

クロスネット局

クロスネット局は、曜日編成の関係で、制作局が年によって異なるケースがあります。

日本のラジオにおける年越し番組

NHKラジオ第1は、1927年から2006年まで『ゆく年くる年』を放送。その後も『年越しラジオ』などを放送し続けています。民放AM局は、かつて共同制作の番組を放送していましたが、現在は各局が独自編成となっています。FM局では、JFN系列を中心に『TOKYO FM版のゆく年くる年』などが放送されています。

海外の年越し番組

アメリカでは、ニューヨークのタイムズスクエアのカウントダウン中継が有名です。しかし、国内に時差があるため、他地域では録画放送となる場合もあります。ドイツ語圏や北欧では、『Dinner for One』というコメディ番組の放送が恒例となっています。

まとめ

日本の年越し番組は、ラジオ放送開始以来、長きにわたって人々の年末年始を彩ってきました。時代とともに変化を遂げながらも、各局の特色あふれる番組編成は、今もなお人々を魅了し続けています。デジタル化などの技術革新も番組編成に影響を与えていますが、今後も年越し番組は、日本文化の一部として、人々の生活に深く根付いていくでしょう。

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