幸州山城の戦い

幸州山城の戦い

幸州山城の戦い（こうしゅうさんじょうのたたかい）は、1593年に行われた文禄・慶長の役の一環として、日本と明軍との間で繰り広げられた重要な戦闘です。この戦は、朝鮮半島上での戦局を大きく変える要因となり、戦後の情勢にも影響を与えました。

背景

文禄元年の1592年、豊臣秀吉の指揮の下、日本軍が李氏朝鮮に侵攻を開始し、瞬く間に占領地を広げました。この動きに対し、李氏朝鮮は明帝国に援軍を要請します。万暦帝は大軍を派遣し、同年末には明の反撃が始まります。1393年の初頭、李如松率いる明軍が平壌を奪還し、更に南下するものの、碧蹄館の戦いで日本軍に大きな打撃を受け、撤退を余儀なくされます。

全羅道方面では、権慄が指揮を取る朝鮮軍が水原の禿城山城を拠点に防戦し、その後、幸州山城へと兵を進めました。権慄は約4000の兵を指揮し、そのうち2300名を城に待機させ、残りを敵の後方を守るために配置しました。

地形

幸州山城は現在の高陽市にあたる場所に位置し、歴史的には日本軍が占領していた漢城から14km程度の距離にあります。城は、南側を漢江、東側を昌陵川に囲まれた独立した徳陽山の上に築かれていました。元々は城がなかった地形で、権慄の指導のもとで急遽要塞化されたとされています。

攻城軍の編成

幸州山城を攻める際、日本軍は碧蹄館での戦闘を経て、攻撃の態勢を整えました。小早川隆景や立花宗茂の意見もあったものの、攻城を支持する意見が優勢となり、日本側は攻撃を決意します。兵力は以下のように編成され、重要な指揮官たちが参戦しました。

• - 小西行長: 7000人
• - 石田三成: 2000人
• - 黒田長政: 5000人
• - 宇喜多秀家: 10000人

このように、日本は数万の兵力を動員し、幸州山城へと迫っていきました。

戦闘の経過

1593年2月11日、日本軍は権慄軍と遭遇し、初戦で89人の兵士を失いました。翌12日には、日本軍が攻撃に出て、まず緩斜面からの進撃を開始しました。吉川広家、毛利元康、戸川達安らの部隊が城柵を突破しようと試みましたが、朝鮮軍は高所からの火砲や投石によって抵抗しました。

日本軍は午前6時から午後4時までの間に三度攻撃を行い、幾度となく退却を余儀なくされます。その間、朝鮮軍は弓矢の不足を補うため、丁傑が漢江方面からの資源を確保しました。結局、日本側は多くの死傷者を出しながらも、攻撃の成果は限定的でした。

結果とその後

戦闘の後、権慄は幸州山城を放棄し、撤退して臨津江へ引き上げました。都体察使の柳成龍は増援を命じましたが、実際の救援は入らず、日本軍の攻撃を退けながらも状況は厳しかったと言えます。この戦の結果は、朝鮮側にとって痛手でありながらも、最終的には戦局の転機となりました。

この戦闘の報告は、戦闘が終わった後すぐに朝鮮王のもとに届き、戦局への重要な影響を持つこととなったのです。

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