幻魔大戦シリーズ

幻魔大戦シリーズ概要

幻魔大戦シリーズ（げんまたいせんシリーズ）は、1967年にスタートしたSF作品群で、最初の作品である漫画『幻魔大戦』は『週刊少年マガジン』で連載されました。このシリーズは、平井和正と石森章太郎の共同制作によるものです。これ以降も平井と石森がそれぞれ独自の作品を手がけることになり、多様なストーリーが展開されました。

作品の始まり

シリーズの起源は、1967年に連載が開始された『幻魔大戦』です。当初、原作は「平井和正/いずみ・あすか」とされ、作画を石森章太郎が担当しました。実は、「いずみ・あすか」は石森自身の別名であり、後に扶桑社から発行された文庫版にはこの名は含まれていません。物語は、幻魔という存在によって宇宙全域が脅かされ、多くの文明が壊滅した後に地球にやってくる過程から始まります。生き残った戦士フロイとベガは、地球の超能力者を目覚めさせ、幻魔との戦いに備えさせます。しかし、連載は人類の絶望的な状況を暗示する形で終了しました。

時系列と続編の展開

1971年には、『新幻魔大戦』が『S-Fマガジン』で発表されました。これは異なる時間軸を舞台にしており、人類が幻魔によって滅ぼされた未来から、江戸時代にタイムリープするという内容です。しかし、この作品も中断されてしまいました。1979年には、平井と石森がそれぞれ独自の作品を進行させることになります。平井は小説『真幻魔大戦』を始め、石森は漫画版『幻魔大戦』（リュウ版）を連載しました。これらは少年マガジン版とは異なるストーリー設定です。

その後、平井は少年マガジン版を再構築する形で『幻魔大戦』というタイトルの小説を新たに連載し、途中から物語は独自の展開へと進んでいきました。『真幻魔大戦』は、平井和正の代表作ともなり、多くのフォロワーを生む要素を持っています。また、超能力者たちが悪の勢力と戦うテーマは、新宗教や精神世界にまで影響を与えることとなりました。さらに、平井自身がノストラダムスの予言からインスピレーションを得ている点も興味深いです。

未完の作品と続くシリーズ

残念ながら、リュウ版及び小説版『幻魔大戦』はいずれも完結することなく未完に終わりましたが、平井はその後も『その日の午後、砲台山で』や『幻魔大戦deep』、そして実質的な完結編となる『幻魔大戦deepトルテック』を発表しました。これらの作品は、シリーズ全体の集大成ともいえる位置づけです。

幻魔大戦 Rebirth

そして2014年には、『幻魔大戦 Rebirth』と題されたシリーズ続編が七月鏡一の脚本、早瀬マサト・石森プロ作画によって始まりました。この新たな作品は、シリーズ全体を包含しつつも、新しいキャラクターやストーリーを展開し、他の平井作品とも交差するクロスオーバー的要素が強いです。

まとめ

幻魔大戦シリーズは、その多様な作品と時代を超えたテーマにより、基本的には同じ世界観を持ちながらも、個々の物語は独自の視点で描かれています。シリーズの発展や、影響を受けた要素、またそれぞれの作品の未完の内容は、今なお多くのファンの心をつかみ続けています。

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